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「手力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手力の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
大岩を擡《もた》げる事は、高天原《たかまがはら》第一の強力《ごうりき》と云われた手力雄命《たぢからおのみこと》でさえ、たやすく出来ようとは思われなかった。が、彼....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
日頃自慢の大力で無理にも引き開くれば開かぬ事も有るまいと、宛かも東洋の神話に在る手力雄尊《たちからおのみこと》が天の岩戸を引き開けた様な権幕で緑盤を開けに掛かっ....
真田幸村」より 著者:菊池寛
必ずしも、戦場では役に立たないと云う説を成す人がいるが、必ずしもそうではない、寄手力攻めになしがたきを知り、抑えの兵を置きて、東山道を上ったが、関ヶ原の間に合わ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
はまだ存在しなかったからであった。たまたまここに磐戸を開こうとしてあらわれて来た手力男の命にたとえたいような人もあった。その人の徳望と威力とは天下衆人に卓絶する....
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
出ましになりました。 すると、さっきから、岩屋のそばに隠れて待ちかまえていた、手力男命という大力の神さまが、いきなり、女神のお手を取って、すっかり外へお引き出....
神話と地球物理学」より 著者:寺田寅彦
は、ともかくも、相当な長い時間の経過を暗示するからである。 記紀にはないが、天手力男命が、引き明けた岩戸を取って投げたのが、虚空はるかにけし飛んでそれが現在の....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
た声に誘われて、好奇心を動かされた女酋長がちょいと岩戸を隙《す》かしたところを、手力男命《たじからおのみこと》が岩を取り除けて連れ出したという物語である。これは....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
鏡の山の石戸立て隠りにけらし待てど来まさぬ 〔巻三・四一八〕 手持女王 石戸破る手力もがも手弱き女にしあれば術の知らなく 〔巻三・四一九〕 同 河内王を豊前国....
脱出と回帰」より 著者:中井正一
一つの神話 日本の伝説の中で、光の美しさを描いているものでは、何といっても、手力男の命が、あの巌壁を開く時、さしはじめる光の、あの強烈な感じの右に出るものは....
「良書普及運動」に寄せて」より 著者:中井正一
段階の急務である。 この機械時代を、わが民族の精神の下に組伏せること、これは、手力男が、かの岩壁に向って、たち向った渾身の力を要求するのである。 図書館界は、今、この力を要求されている。....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
光被して、鹸や、脂気を変じて、人に迫る力としていることも、否まれない。 巌門破る手力もがも。嫋き女にしあれば、すべの知らなく 女王 (万葉集巻三、四一九) これ....
手長と足長」より 著者:喜田貞吉
るところを知らぬ。太宰管内志には文化十年の壱岐島式社考を引いて、祭神天忍穂耳尊・手力雄命・天鈿女命とある。また手長比売神社の祭神は、同書に壱岐図説を引いて、忍穂....