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手加減
「手加減〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手加減の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
だった。この心持がすべての思想と行動を支配した。家族の人たちに対しても彼はそれに
手加減をする理由は露ほども見出さないのだ。
清逸は上京の相談で家に帰りはしたが....
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
た。そして自身でも試みて字を変え紙質を変えたりしたら面白そうだと云いました。また
手加減が窮屈になったりすると音が変る。それを「声がわり」だと云って笑ったりしまし....
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
手した当座はまだ不馴れで、充分手に入らなかったゆえに、謡いものとするために多少の
手加減をしなければ思うように訳せなかった。それが次第に厳格な逐次訳でどうにか納め....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「だろう、君、筒井筒振分髪と云うんだろう。それならそう云いたまえ、僕の方にもまた
手加減があるんだ、どうだね。」 信玄流の敵が、かえってこの奇兵を用いたにも係ら....
「文明国には必ず智識ある高等遊民あり」より 著者:内田魯庵
受け入れることが出来るような設備が必要である。高等遊民が出来ることを恐れて教育の
手加減をするなどは愚の極だ。 最う一つ言えば、一体国民の智識の高まるのは必然の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
もやとお考えになられるか存じませぬが、これが事実であって見れば、自分の考で勝手に
手加減を加える訳にもまいりませぬ。あなた方がそれを受け入れるか、入れないかは全く....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
もヴィール夫人に言われるまでは全然知らなかった。 バーグレーヴ夫人はこの物語に
手加減を加えるようなことは絶対にしなかったが、彼女からこの物語を聞くと、亡霊の実....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
店員の長所短所を心得て事務を執らしめざるべからざることはもちろんであるが、主人の
手加減一つで本人を片輪的の、融通のきかない人物としてしまうことが往々ある。これを....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
している、――と云うことが知れているので、俺ら相当悪事をしても、お官では目こぼし
手加減をしてくれる」 「そうだそうだ」と別の声がした。「要するにあのお方は丸袴の....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
次郎も名人であったが、造酒と立ち合うと互角であった。しかしこれは造酒の方で、多少
手加減をするからで、造酒の方が技倆は上であった。定吉に至ると剣道学者で、故実歴史....
「父の俤」より 著者:佐藤垢石
びっくりするような強引な当たりである。 はじめて釣り竿を持った幼い私に、余裕も
手加減もあろうはずがない。当たりと一緒に、激しく竿先を抜きあげると、大きな魚が宙....
「瀞」より 著者:佐藤垢石
の方へ受取を書きに去ったあとで、雨村に囁いた。 よし分かった。だが、それは僕の
手加減に任せて置いてくれ。 雨村はもう、万事承知しているかのようである。 生....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
通りこうやって、二|百三百と預ってありましょう。殊にこれなんざあ御銘々使い込んだ
手加減があろうというもんだから。そうでなくッたって粗末にゃあ扱いません。またその....
「俗臭」より 著者:織田作之助
の中で静かに揺り動かすと、白金まじりの金属が残って砂粉だけが水の中に逃げる。その
手加減がむずかしいのだ。少し手元が狂えば大切な白金が逃げる。春松のゴマいりを揺り....