手向い[語句情報] » 手向い

「手向い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手向いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
った。市九郎は、相手のたじろぐ隙に、脇差を抜くより早く飛びかかった。 「おのれ、手向いするか!」と、三郎兵衛は激怒した。市九郎は無言で付け入った。主人の三尺に近....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
忠直卿は、右近め、昨夜あのように、思いきった言葉を吐いた男であるから、必死の手向いをするに相違ないと、消えかかろうとする勇気を鼓《こ》して立ち向かった。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》から恨みをうけるような男でないから、これはおそらく香奠めあての物取りで、徳蔵が手向いをした為にこんな大事になったのであろうと、足袋屋の亭主は云った。ほかの人た....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
こないでは無いように思われますので、ともかくも取り押さえようと致しますと、案外に手向いを致しますので、よんどころなくお縄をかけたのでございます」 「ごもっともで....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いるところへ飛び込んで御用……。いくらお角でも裸で逃げ出すわけには行きません。お手向いは致しませんから御猶予をねがいますと云って、からだを拭いて、浴衣を着て、素....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れた方が無事であると知りながら、一杯機嫌の半七は癪にさわって相手をなぐり付けた。手向いをする以上は、相手はいよいよ容赦しない。一人は半七のふところへはいって、う....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
言葉ではござりまするが、徳川御宗家におかせられましても、いまだかつて錦旗に対しお手向いしたことは一度もござりませぬ。まして、御本家水戸殿においては、義公様以来、....
仇討三態」より 著者:菊池寛
ことじゃ。在俗の折ならば、なかなか討たれ申すわれらではないが、かようの姿なれば、手向いは仕らぬ。早々、お討ちなされい!」 老僧の言葉は道理至極だ。惟念は、老僧....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
り込みになりましたので万事の破滅と、わたくしもいよいよ覚悟を決めました。智心がお手向いを致しましたのは、お歌を殺した一件で、我が身にうしろ暗いところがある為でご....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
さんはその薪ざっぽうで左の腕を強く打たれました。名をきいても返事をしない、しかも手向いをする以上は、もう容赦はありません。高松さんは土間に飛び降りて追いかけると....
計略二重戦」より 著者:甲賀三郎
しました。 「フフン」シムソンは勝誇ったようにあざ笑いました。「どうだ。この私に手向いしようとしても無駄な事が分っただろう。さあ、そのピストルをこちらへよこせ。....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
の来るのを待ち受けた。討手の大将は椎名金之丞と云って、情を知らぬ武士であったが、手向いもしない郷左衛門を高手小手に縛めると磔柱へ縛り付けた。 磔柱は車に積まれ....
奇巌城」より 著者:菊池寛
通っていこうとした。待ち構えていた探偵たちは突如組みついて捕まえた。曲者は少しも手向いをしなかった。しかしいざ調べる時になると、何を聞かれても答えなかった。判事....
深川女房」より 著者:小栗風葉
キーというとこでバッタリ出合したのが向うの軍艦! こっちはただの帆前船で、逃げも手向いも出来たものじゃねえ、いきなり船は抑えられてしまうし、乗ってる者は残らず珠....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
く怒って菊子を握り拳で滅茶苦茶に殴りつけまだ足らないで足で菊子を蹴倒した。菊子は手向いもせず、ただそこに泣き伏した。 そこへ、菊子の母や番頭などがやって来て、....