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「手回り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手回りの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
の談判で頭を悩ませられていたんだ。だがたいていけりがついたから、おれは少しばかり手回りの荷物だけ持って一足《ひとあし》先にここに越して来たのだ。……もうこれでえ....
乱世」より 著者:菊池寛
た。本堂に続いた二十畳に近い書院が、彼らの居室に当てられた。住持の好意によって、手回りの品物が給せられた。警護の鳥取藩士は、彼らにかなり寛大だった。が、生死の間....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
った。そこにあるものは何もかもまだ新世帯の感じだ。建築物からして和洋折衷だ。万事手回りかねる際とて、椅子も粗末なものを並べて間に合わせてある。 やがて通禧は右....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
場合のことだ。処でこの云わば制度と制度習得感としての習俗が、一見片々たる細々した手回り品や言葉身振りにまで細分されて捉えられた場合が、恐らく風俗というものだろう....
一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
建築物設備の不完全あるいは破損のために将来当然に起こるべきけがや病害を、とかく不手回りがちな当局者に先だって発見し注意したい。電車の不完全な救助網や不潔な腰掛け....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
てられるべきもので、古典のように過去のどこかに位置する事物ではなく、現在日常的に手回り近くに用意されてある処の観念的な生産用具に他ならないのである。 古典を何....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
用なのであるから、読まなくても何か所有するということに書物の意義があるのだ。本は手回りの道具であり材料なのである。夫を用意することが本の所有の価値である。この判....