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「手堅い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手堅いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
されなければならぬという事、幸いに、サンフランシスコで自分の話に乗ってくれるある手堅いドイツ人に取り次ぎを頼んだという事、シヤトルでも相当の店を見いだしかけてい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
総屋は五年ほど前からここに開業したもので、土地では新店の方であるが、商売の仕方が手堅いというので、近所の評判は悪くなかった。主人の茂兵衛は金右衛門と同年配の三十....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もんですかよ」 彼女は口をきわめて雷師匠を罵った。まえにも云う通り、小左衛門は手堅い人物であるので、ふだんから自分の手習い子が遊芸の稽古所などへ通うのをあまり....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
過した。 むす子の画業は着々進んでいるらしく、ラントランシジャンとかそう云った手堅い巴里新聞の学芸欄に、世界尖鋭画壇の有望画家の十指の一人にむす子の名前が報じ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
布のお国と心中してしまったという訳です」 「清七は養子か」 「本来はおとなしい、手堅い人間だったそうですが、府中へ行った帰りに一と晩遊んだのが病み付きで、飛んだ....
志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
の些末事を、ゴテゴテと何らの撰択もなく並べ立てるに比して、志賀氏の表現には厳粛な手堅い撰択が行われている。志賀氏は惜しみ過ぎると思われるくらい、その筆を惜しむ。....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
ってみたり、エッフェル塔の影が屋根に落ちる静かなアパルトマンに、女中を一人使った手堅い世帯持ちの真似をしてみたり、新吉は巴里を横からも縦からも噛みはじめた。巴里....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
、円朝ほどに華やかな人気はなかったが、江戸以来の人情話の本道を伝えているような、手堅い話し口であった。したがって、一部の人からは旧いとも云われたが、その「四谷怪....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
金銭上のことになると、色恋とハッキリ区切って、金庫の上にアグラをかいているような手堅いところがあった。 大浦博士の末弟は大浦種則という私大出の婦人科の医学士で....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
売の主人にしては、ちょッと柄が変っていた。男の方は五十がらみの年配であるが、昔は手堅い会社かなにかに実直な事務をとっていたような、グズで気のきかないノンダクレと....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
父も持ち前の商才にたけてはいたが、田舎育ちのために、性格に反して大事をとり、手堅い商法からハミだす勇気を失っていた。息子の大胆な商法が、父の持ち前の目をひら....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
いるのは当然でもあろうが、この姉妹の派手作りは余りに度を越えている。旧家を誇り、手堅いのを自慢にしている此の旅館の娘たちとはどうしてもうけ取れない。そこらの曖昧....
」より 著者:岡本綺堂
二人、女中二人、仲働き一人の十一人家内で、おもに近所の旗本や御家人を得意にして、手堅い商売をしていた。ほかに地所|家作なども持っていて、町内でも物持ちの一人にか....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
用がかかる。 始めはこの古い家柄を衷心から尊敬するスコッチの大蔵大臣の肝煎りで手堅い公債ばかり買い入れ、その利息で楽々生活費が支弁出来た。しかし彼の生活がかさ....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
梅」があった。……とだけでは何のこともない、いまも立ならぶ大きなあの榎のかげに、手堅い、つつましい、謙遜な、いえばおのずからそれが江戸まえのくろ塀をめぐらしたそ....