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手広
「手広〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手広の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
いつけたものだ。
「さてそこへ上《あが》って見ると、案《あん》の定《じょう》家も
手広ければ、主《あるじ》の翁《おきな》も卑しくない。その上酒は竹葉青《ちくようせ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
――何でもそう云う話だった。
「そうすりゃここにいなくとも好《い》いから、どこか
手広い家《うち》へ引っ越そうじゃないか?」
牧野はさも疲れたように、火鉢の前へ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
っすぐに梯子を下りた所が、ぎっしり右左の棚の上に、メリヤス類のボオル箱を並べた、
手広い店になっている。――その店先の雨明《あまあか》りの中に、パナマ帽をかぶった....
「或る女」より 著者:有島武郎
杉《すぎ》、松、その他の喬木《きょうぼく》の茂みを隔てて苔香園《たいこうえん》の
手広い庭が見やられていた。きのうまでいた双鶴館《そうかくかん》の周囲とは全く違っ....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
して、おれは当時|西国《さいこく》の博多に店を持って、唐人《とうじん》あきないを
手広くしている。一年には何千両という儲《もう》けがある。それでお前を迎いに来た。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、大久保式部の下屋敷をたずねると、さすがは千石取りの隠居所だけに屋敷はなかなか
手広そうな構えで、前には小さい溝川が流れていた。 「まるで一軒家ですね」と、松吉....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
包みこんで帰って行ってしまった。 君を木戸の所まで送り出してから、私はひとりで
手広いりんご畑の中を歩きまわった。りんごの枝は熟した果実でたわわになっていた。あ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
や魔術の教授を受けたという話である。 エジプト人は地中海から紅海へかけてかなり
手広く航海を営んでいた。それには彼らの星学の知識が航路を定める役に立った。ホーマ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
八 青木というのは、来遊の外国人を当て込んで、箱根や熱海に古道具屋の店を開き、
手広く商売が出来ていたものだが、全然無筆な男だから、人の借金証書にめくら判を押し....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
だ!」 それは何んとも言えなかった。 一体お由は、今戸町に店を持っている相当
手広い牛肉店|加藤吉蔵の妾兼女房なのであった。が、悪い事にはこの吉蔵が博徒の親分....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、家号は山形屋といっていました。土地では旧家の方でもあり、そのころは商売もかなり
手広くやっていましたので、店のことは番頭どもに大抵任せておきまして、主人とはいい....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
して、平生は奉公人大勢に荷を担がせて廻らせて、自分は帳場に坐っていて四ツ谷切って
手広く行っておりまするのが、わざわざお邸へ出て参りまして、奥様に勧めました。さあ....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
なにがしで、ここに二百四、五十年を経る旧家と誇っているだけに、店も大きく、商売も
手広く、ほかに広大の土地や田畑も所有して、淀橋界隈では一、二を争う大身代と謳われ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
るのが今の榛原や紀友のような書画の材料商であって、当時江戸では今の榛原よりは一層
手広く商売した馬喰町の扇面亭というが専ら書画会の世話人をした。同じ町内の交誼で椿....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
た遊びに行った事がある、その別荘は倫敦の街から九|哩ばかり距れた所にあるが、中々
手広い立派な邸宅で、何さま由緒ある貴族の別荘らしく見えた。で、私が名刺を出して来....