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手強い
「手強い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手強いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
まち強い緊張に囚われた。 しかも一|揆《き》が、かりそめの百姓一揆とちがって、
手強い底力を持っていることが知れるに従って、一藩の人心はいよいよ猛り立った。家中....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
不運にも私の背後から駈け出して来た運転手が一撃のもとに仆された。相手は中々|
手強い。私の左腕はちぎれるように痛みを増した。急場だ、ヒラリと二度目に怪漢の腕を....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
うとした。取られまいと思って格闘するうちに、手から金貨がバラバラと転がったのさ。
手強いと見て、背後にいた仲間が、ピストルをぶっ放したというわけだ。前にいた奴は仙....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
検事は注意深そうな眼をして聴き咎めたが、秘かに心中では、案外この娘は年齢の割合に
手強いぞ――と思った。
「それが、また厳粛な問題なんですわ」伸子は口辺を歪めて、....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
も、わが白雲斎師匠を除いて、ほかにはない筈だが、伊賀流か、甲賀流か、何れにしても
手強い奴! 名を名乗れ!」 と、呶鳴りながら、起ち直ったところ、いきなり足をすく....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
。取付いてからも、ひどいというほどではないが荷物があり、バランスの悪い僕には一番
手強いところだった。野口五郎岳の三角標石は完全に出ていた。五郎を過ぎてから尾根に....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
…来るわ来るわ、ジリジリと。寄せるわ寄せるわ、ジリジリと。……十二人と一人、ちと
手強い。ナーニ大丈夫だ大丈夫だ!」 いよいよ体を押し沈め、腰から上の上半身を、....
「地球要塞」より 著者:海野十三
、一つの要塞のように見えるのです。欧弗同盟《おうふつどうめい》国にとっては、相当
手強い敵ですよ」 大西洋をはさんで、東に欧弗同盟国、西に汎米連邦――この二つの....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
川上機関大尉は、また相手の服をぬがせにかかった。 ところが、この相手はなかなか
手強い奴だった。彼は人事不省を装っていたのだ。だから川上機関大尉のちょっとの油断....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
き! 倒れる音! 後はシーンと静かである。 岡八ソロリと位置を変えた。 「鳥渡
手強い」とつぶやく声、闇の中から聞えて来た。例の濁った不快の声だ。 と又一人飛....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
。 これは日本ばかりではない。日本のある時代ほど極端ではありませんが、なかなか
手強い議論が宗教方面やある種の思想家たちから出ています。旧幕時代の日本の為政者や....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
いずれ南洋へ押し渡って僕らと競争するだろう。張の競争は恐ろしくはないが、ちょっと
手強いのは袁更生だ。暗夜とは云っても黄浦河の上で堂々と汽船を奪った手並みは敵なが....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
主水の耳へ口を寄せ、陣十郎は囁いた。 「俺がやる。お前は見て居れ……ちと彼奴
手強いらしい」 「うむ」と主水は頷いた。 陣十郎はソロッと出た。 既に刀は抜....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
る衣裳はりっぱなもので、浪人などとは思われない。年は二十三、四らしい。
「これは
手強い相手らしいぞ」紋也にはこんなように感じられたのでおのずと姿勢の構えがついた....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
く事等をしない」と云うような事が書いてあった。オットー中佐はその知人に「日本人は
手強い」とこぼしていたそうである。フェルスター中佐の名著『シュリーフェンと世界戦....