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「手役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
。彼は調法な与四郎となった。どこの師匠の家でも彼を歓迎した。棋院では初心の客の相手役になってやるし、琴の家では琴師を頼まないでも彼によって絃の緩みは締められた。....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
けノッソリノッソリ歩き出した。 「へ、それにしてもとんだ身の上を。身を変えての追手役、召し捕る相手は俺の従兄、古い物語にでもありそうだ。それにしても信玄公、内の....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
うものの事件に対する観察力などというものはまるでないのだし、云わばひろ子達のお相手役なのだから、一人でひろ子の部屋で差し向いになるのはちよつと礼を失するように思....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
でも配役の選択が上手である。いくらはやりっ子のプレジアンでも、相手がいつも同じ相手役では、結局同じ穴のまわりをぐるぐる回ることになるであろう。 このあいだ見た....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さて何から話し出していいか、米友が少しテレる。 米友が少しテレたので、弁信が仕手役《してやく》に廻りました。 「米友さん、私は今、考え事をしていたところなんで....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ばくえき》を業としていた。悪行いよいよ募って、そのころ牛込御門内に住居していた先手役《さきてやく》青山主膳(千五百石)の組与力同心《くみよりきどうしん》が召捕り....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
は嬉しいのか、その記事の文句をいまだにおぼえています。 「既報“人生紙芝居”の相手役秋山八郎君の居所が奇しくも本紙記事が機縁となって判明した。四年前――昭和六年....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
間の血と同温である。 彼女の売出しごろには舞台の背景に巴里の場末の魔窟を使い相手役はジゴロ(パリの遊び女の情人)に扮した俳優を使い彼女自身も赤い肩巻に格子縞の....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いうものですかね。日本の映画は、ひろいですか。広い天地だとも思われないな。 相手役の芸に関してだって、映画俳優が宝塚より達者だとも思われないし、作品の内容や、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
そうじゃありません。御浜なり永代橋なりで艀舟へ乗せると、奉行所の手をはなれて御船手役人の手に移るンです」 「よしよし、よくわかった。だいぶ話が面白くなってきたよ....
役者の一生」より 著者:折口信夫
、この妲妃のお百をした時が、殊に役の一番いい、幸福を予約せられた時代であった。相手役は家橘であるから、大変出世したものである。 これからだんだん大きな役者の女房....
夜光虫」より 著者:織田作之助
でキッカケをはずされた役者のようなものであった。意気込んで舞台へ飛び出したが、相手役がいなかったというバツの悪さをごまかすには、せめて思いも掛けぬお加代という登....
夜の構図」より 著者:織田作之助
冴子を相手の場合とでは、確かに自分自身を演出する調子を変えているのである。 相手役によって演技を変えて行く名優のような巧妙さだと、言ってしまえば、話は早判りす....
イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
、この「すべての名女優の野心と失望の役」であるノラには、村瀬幸子君が扮し、その対手役としては丸山定夫君が選ばれ、すでに御覧のような築地的な「人形の家」が上演され....
一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
なのである。シェークスピアの芝居などには傍白(アサイド)というのがあるようだ。相手役には聞えないが観衆には聞える台詞である。もし社会でもそういうものが許されたら....