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「手抜かり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手抜かりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
禁酒の心」より 著者:太宰治
ら、銚子はこのまま、このまま、さわってはいけない、風呂敷でもかぶせて置け、さて、手抜かりは無いか、と部屋中をぎょろりと見まわして、それから急に猫撫声《ねこなでご....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
しいね……あの豚の轢殺事件が、こんな悲劇に終ろうとは思わなかったよ……いや、僕の手抜かりだった。この娘は恐らく自殺なんだろう。と言うのは……いやとにかく、歩きな....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
けられず鍵もおろされない。武器も弾薬も依然として手にある。これはバイエルタールの手抜かりというわけではなく、四か所の石階に厳重な守りがあるからだ。 アフリカ奥....
愚人の毒」より 著者:小酒井不木
薬を書生に持たせてやって、あなた自身が患者に与えられなかったこともあるいは一つの手抜かりかもしれませんが、それよりも、もっと大きな手抜かりはあなたが奥田家を訪ね....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
から、そのつもりに出兵の手配りをして置いて、中仙道はもとより甲州方面のことは万事手抜かりのないようにと仰せ出されたともしてあった。 このお達しが諏訪藩に届いた....
李陵」より 著者:中島敦
た。かつて長安《ちょうあん》都下の悪少年だった男だが、前夜|斥候《せっこう》上の手抜かりについて校尉《こうい》・成安侯《せいあんこう》韓延年《かんえんねん》のた....
山吹町の殺人」より 著者:平林初之輔
生々しい血のりがついていた。あれだけ用心をして来たのに、家へ帰るが早いかこんな大手抜かりを発見されたことは、彼の心をひどく萎縮させた。彼はまごまごしてしまって、....
石油の都バクーへ」より 著者:宮本百合子
ならなくなったのである。 リージンの大柄な口紅を濃くつけた細君は、いかにも夫の手抜かりを攻める面持で、自分たちのいる横で二人だけあっちへのせろ、と云っている。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
こうして身を以てしても、猛犬を引留めなければならないのであります。 自分たちの手抜かりから猛獣の絆《きずな》を絶ってしまったことは、申しわけのない失敗だけれど....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
走が食べたかったか、それとも眠くて鍵をかけ損ねて気づかなかったのか、なにかそんな手抜かりがあったからでしょう、扉が半分開けたままんなっていて、パトラッシュの求め....
丹下左膳」より 著者:林不忘
もらうのじゃナ」 「なにしろ相手は、名にしおう伊賀の暴れン坊じゃで、おのおの方、手抜かりなく――」 と、コソコソ耳こすりする声が、唐紙を通して三人の神経へ、ピ....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
てくるのを待っていた。列車の配車が出来ると同時に、彼は余の手許へ打電して、すぐに手抜かりなく準備をととのえろと知らせて来た。彼は自ら、ホレース・ムーアという偽名....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
合は、能く能く落ち附いて考えなければならないことは、今も申したようなちょっとした手抜かりがあって、生命を縮めるような心配を致さねばなりませんから、心すべきことであると存じます。....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
人だろうと、一晩中眉をひそめていた。 しかし、その次会うた時はさすがにこの前の手抜かりに気がついたのか、まず夕飯に誘って下すった。あらかじめ考えて置いたのだろ....
祭の夜」より 著者:平林初之輔
おそいからびっくりさしちゃ気の毒だよ」 「しかし、万が一何かあった場合にこちらの手抜かりになるからな」 「それもそうだが。……なるべくおとなしくやろうぜ、君はど....