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手招き
「手招き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手招きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て、青年は目を外らしたが、今は仕切の外に控えた、ボオイと硝子越に顔の合ったのを、
手招きして、 「珈琲を。」 「ああ、こちらへも。」 と貴婦人も註文しながら、 ....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
けた事はない。しかもお前、その娘が、ちらちらと白い指でめんない千鳥をするように、
手招きで引着けるから、うっかり列を抜けて、その傍へ寄ったそうよ。それを私は何も知....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
銀行員を見廻した。すると室の中央に突立っていた年配の人物が、こっちを向くや否や、
手招きをしながら、ツカツカと高い応接台のところへ出て来た。僕は彼が支店長だなと悟....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
事だろうと、博士のそばへそっと寄《よ》っていった。すると博士は、気がついて正吉を
手招きした。 「おい君、私は今一つ、発見したよ。このハンカチーフの主――つまり君....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
ます」 帆村の申出に、一座には顔をしかめる者もあったが、長谷戸検事はすぐ警官を
手招きして、亀之介をここへ連れてくるように命じた。 暫くすると、二階の居間を出....
「見えざる敵」より 著者:海野十三
摺り合わせの蓋がついていた。 「さあ、こっちへよって、よく見るがいい」 博士は
手招きした。 首領ウルスキーは、それッとワーニャに目くばせをして、今のうちに、....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
あるまい。では、君たち、わしの自動車に、一緒にのったがいい」 博士は、車上から
手招きをした。 ニーナは、さっきから、道傍に身体をなげだして、死んだようになっ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
はちょっと手数がかかりそうですね」 「ふうん、厄介だな」 課長は警察医の黒川を
手招きして、隅に寝ている川北先生の方を指した。医師は心得て川北先生の枕頭に腰をお....
「火星兵団」より 著者:海野十三
――そうだ、お前にいいものを見せてやろう。こっちへお出で」
博士は、新田先生を
手招きすると、立上って、暗くてせまい地下のわれ目を奥のほうへと、はいって行った。....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
に知っているのであろうか。 怪しい合宿所 張という中国人ボーイは、杉田を
手招きして、先に立った。 杉田はその後について店を出た。張は共楽街の大通をすた....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
杯やろう」 杜は思いがけない生ビールの店を見つけて舌なめずりをした。彼はお千を
手招きして、二つのコップの一つを彼女に与えた。杜の腸に、久しぶりのアルコールがキ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
。 十日を措かず、町内の娘が一人、白昼、素裸になって格子から抜けて出た。門から
手招きする杢若の、あの、宝玉の錦が欲しいのであった。余りの事に、これは親さえ組留....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
「さ、祝杯を上げようよ。」 「ぴい、ぷう。」 空嘯いて、笛を鳴す。 夫人が
手招きをした。何が故に、そのうしろに竜女の祠がないのであろう、塚の前に面影に立っ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
。さあさあ誰方もいらっしゃい。――御案内……ッてらッしゃいッ。」 と冴えた声で
手招きをしながら、もう石橋を飜然と越えて、先へ立って駆出すと、柔順な事は、一同ぞ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ろ冬服に着替え、しおれ切って店を出ようとすると、出戻り娘のお光ちゃんが物かげから
手招きしている。そして私の手に電車の片道券をそっと握らせてくれるのだった。行暮れ....