手擦れ[語句情報] »
手擦れ
「手擦れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手擦れの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あの顔」より 著者:林不忘
郎も、描いた勝川豊春もともに昔の人ではあるまいか。絵も、挨りをかぶって、古びて、
手擦れがしているのだ。お久美は、そう観察して、お兼のおどろきにまでじっと絵の顔を....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
、撃鉄や安全環はニッケルが剥落して黒い生地を露し、握りの処のエボナイトの浮彫も、
手擦れで磨滅してしまっている。少くとも十年以上使用したものである。 ◆附記 注....
「旅愁」より 著者:横光利一
にそうだ。僕の写真機は、これやお経の眼玉だからな。」
と塩野は塩野で一寸自分の
手擦れて汚くなったイコンタを上げて眺めてみた。
「君にもやっぱり写真機お経に見え....
「夜の靴」より 著者:横光利一
に、湯呑が一つ傾いたまま置いてある。よく洗濯された、継ぎ剥ぎだらけの紺の上衣が、
手擦れで光った厚い戸にかかり、電灯がかすかに風に揺れている。槽に蔭干しされた種子....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
ずれも先祖代々百年も使い馴らしたようなものばかりであった。道具も永く使い馴らして
手擦れのしたものには何だか人間の魂がはいっているような気がするものであるが、この....
「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」より 著者:前田河広一郎
んでいた。ノックして、はいると、細長い部屋に、細長いテーブルがあって、その上には
手擦れのしたタイプライタアがのっていて、主人公は、その奥からむっとするほど部屋に....
「後の日の童子」より 著者:室生犀星
つきで古い埃をほじくり出した。丹塗りの笛の胴にはいってから密着いたのか、滑らかな
手擦れでみがかれた光沢があった。 「お母様、その笛をおそうじしてくだすっても、僕....