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手業
「手業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手業の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
ようぞ。わたしはいやじゃ、いやになった。(投げ出すように砧を捨つ) かえで 貧の
手業に姉妹が、年ごろ擣ちなれた紙砧を、とかくに飽きた、いやになったと、むかしに変....
「足迹」より 著者:徳田秋声
が、荒く育ったお庄にもうらやましかった。叔母の側にくっついていて、もう少し何かの
手業を教わっておくのだったとも考えた。 「叔母さんのすることは、少し厭味よ。」お....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
を着て、茜木綿の襷を掛けて、糸を採ッたり衣を織ッたり、濯ぎ洗濯、きぬた打ち、賤の
手業に暇のない、画にあるような山家の娘に見え出した、いや何となくそのように思われ....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
《だいく》と巧拙《こうせつ》を争う者あり、しかのみならず、近年に至《いたり》ては
手業《てわざ》の外に商売を兼ね、船を造り荷物を仕入れて大阪に渡海《とかい》せしむ....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
》に新たにして、およそ工場または農作等に用うる機関の類《たぐい》はむろん、日常の
手業《てわざ》と名づくべき灌水・割烹・煎茶・点燈の細事にいたるまでも、悉皆《しっ....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
した。 呉羽 今更いうも愚痴なれど、ありし雲井のむかしには、夢にも知らなんだ賤の
手業に、命をつなぐ今の身の上。浅ましいとも悲しいとも、云おうようはござらぬのう。....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
―」 と私には言いながら、八の脱いだ外套と帽子を、置戸棚の傍へ押束ねざまに、片
手業に火鉢にかかった湯気を噴く鉄瓶を提げて、すいと二階へ上って行く。 間早な事....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
がある一つの仕事に必要なだけ十分の時間をかけなかったことを、またその仕事に必要な
手業を十分|稽古しなかったことを、悔い嘆いている。落ちついて地道にコツコツとヤリ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
いる。是は国内の各地方に棉の栽培が衰えたために、糸紡ぎや綿繰りが、もう尋常農家の
手業でなくなった結果である。 しかもこのもめん綿というものそれ自身、我邦におけ....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
待をした。また多くの仲間で一しょに夜明かしをしてもらうと、願いごとがかなうとも、
手業が上手になるともいう者がある。夜あかしには立待と称して、夜更けて月の昇るまで....