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「手玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
いに、お時誼をしたまま、うしろ姿で、ちらりと赤い小さなもの、年紀ごろで視て勿論お手玉ではない、糠袋か何ぞせっせと縫っていた。……島田髷の艶々しい、きゃしゃな、色....
妖術」より 著者:泉鏡花
、お商売は。」 と訊いた。 後に舟崎が語って言うよう―― いかに、大の男が手玉に取られたのが口惜いといって、親、兄、姉をこそ問わずもあれ、妙齢の娘に向って....
金属人間」より 著者:海野十三
難問題である。それを二十歳を越えたばかりの白面《はくめん》の青年学徒が、みごとに手玉にとっているのであるから、なんといってよいか、じつに原子力行使《げんしりょく....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
声をあげた。 「魚戸じゃないか。なあんだ、きさまだったか。ひどい奴だ、僕を散々|手玉にとりやがって……」 僕は魚戸をぐっと睨みつけてやった。ところが、魚戸は、....
」より 著者:海野十三
雷は、お前たちの手にはどうにもなりゃしない」 「では、雷には玄人の旦那には、雷が手玉に取れるとでも云うのですかネ。そんなことがあれば、仕事の上に大助かりだね。教....
南地心中」より 著者:泉鏡花
中へ、袂を探って、肩をふらりと、なよなよとその唐織の袖を垂れたが、品を崩して、お手玉持つよ、と若々しい、仇気ない風があった。 「何や、この二条の蛇が可恐い云うて....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
縋って立つと、魂が中ぶらり、心得違いの気の入れどころが顛倒っていたのであるから、手玉に取って、月村に空へ投出されたように思った。一雪め、小説なぞ書かなければ、雑....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
しいものだが、鍾馗は玄宗皇帝の笛を盗んだ鬼を捉えた人というし、金時は今も金時山に手玉石という大きな石が残っている位強かったというが、その子の金平も、きんぴら牛蒡....
水の女」より 著者:折口信夫
ていたのであろう。 天孫又問ひて曰はく、「其秀起たる浪の穂の上に、八尋殿起てゝ、手玉もゆら神の女等、大は磐長姫と号り、少は、木華開耶姫と号る。」……(日本紀一書....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
は義経・弁慶・亀井・片岡・伊勢・駿河と共に諳んじていた。富山の奥で五人の大の男を手玉に取った九歳の親兵衛の名は桃太郎や金太郎よりも熟していた。したがってホントウ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
が窓下をすぐに通る、離座敷へ案内をすると、蒲団を敷かせる。乗ったんですが、何だか手玉に取られた形で、腰が浮くと、矢の流れで危いくらい。が、きっぱりと目の覚めた処....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
説家が吉原へ行っても女郎屋へ行かずに引手茶屋へ上って、十二、三の女の子を集めてお手玉をしたり毬をついたりして無邪気な遊びをして帰るを真の通人だと称揚していた。少....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
二葉亭は常に現状に満足出来ない人であった。絶間なく跡から跡からと煩悶を製造しては手玉に取ってオモチャにする人であった。二葉亭がかつて疑いがあるから哲学で、疑いが....
活人形」より 著者:泉鏡花
ち、二階には下枝の悲鳴|頻なり。驚破やと起って行き見れば、この時しも得三が犠牲を手玉に取りて、活み殺しみなぶりおれる処なりし。 ここにおいて泰助も、と胸を吐き....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
比較するとき、思わず驚くほどになるものです。それはちょうど、坂の上から小さい雪の手玉を転がし落すと、坂の下まで来たときには大塊の雪団になっているようなものです。....