手疵[語句情報] » 手疵

「手疵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手疵の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
使《じょうし》に立った。上使の趣は、「其方儀乱心したとは申しながら、細川越中守|手疵養生《てきずようじょう》不相叶《あいかなわず》致死去《しきょいたし》候に付、....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
ていた。いくら帳簿を整理しても十露盤をはじいても、いまさら療治のできるような浅い手疵《てきず》ではなかった。殊に今までの喧嘩商売を離れてから、彼の頭はぼんやりし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くれて疵養生をしているのであろうと、半七は推量した。鈴ヶ森で侍を殺した時に、彼も手疵を負ったらしい。自分の家へ帰って療治をすると、秘密露顕の虞れがあるので、金造....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
かれ、大分の痛手を負うた。隣家の婆さんが駈けつけて巳代吉を宥めなかったら、親分は手疵に止まらなかったかも知れぬ。繃帯して右手を頸から釣って、左の手で不精鎌を持っ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ているところへ検視の役人が来ました。それで型の如く、年頃、恰好、着類、所持の品、手疵《てきず》の様子を調べた上に、改めて宇治山田の米友に向いました。 「其方《そ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
に一刀の鞘を払って振廻した。そのために居合せた矢野、馬島、川端の三人は各々多少の手疵《てきず》を負った。外に竹内宇佐美というが居たが、竹内は早く帰宅し、宇佐美は....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
女は叔父が死なないとは信じられまい。彼女も驚いて死ぬであろう。僕の胸にはいかなる手疵をこうむってもいいから、このことはけっして彼女に打ち明けまいと思った。 次....
南国太平記」より 著者:直木三十五
叫びざま、馬から、降りた。そして、右手で、左の腕を押えていた。二三人が 「御前、手疵を――」 と、顔を寄せると 「掠《かす》れ弾《だま》じゃ」 と、云って、....
食道楽」より 著者:村井弦斎
なければ硬くって味がありません。鳥や獣でも取れた場所で味が違い、一発で撃ったのと手疵《てきず》を負わせたのと味が違い、網で捕ったのと鉄砲で撃ったのと味が違います....