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手痛い
「手痛い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手痛いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
矢に射しらまされたのを始めとして、中門《ちゅうもん》を打って出た侍たちに、やはり
手痛い逆撃《さかう》ちをくらわせられた。たかが青侍の腕だてと思い侮っていた先手《....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
竹の落葉は、一面に踏み荒されて居りましたから、きっとあの男は殺される前に、よほど
手痛い働きでも致したのに違いございません。何、馬はいなかったか? あそこは一体馬....
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
。自分の前に進んで行く惣八郎が激しく戦ったからである。彼はそうして、終日惣八郎の
手痛い戦いを見物するばかりであった。 二月二十八日は、いよいよ総攻めの日ときま....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
て淳庵が直之進であると決めてしまうのは、不|穿鑿であると。これは、兄弟にはかなり
手痛い非難であった。が、もっとひどい噂があった。兄弟は、敵討に飽いたのだ。わずか....
「親子」より 著者:有島武郎
こはお前のような理屈一|遍ではとてもわかるまいが」 なるほどそれは彼にとっては
手痛い刃だ。そこまで押しつめられると、今までの彼は何事も言い得ずに黙ってしまって....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
法を見習うようになったが、若いに似ずよく親分の世話をして、執念深く窺いよる男共は
手痛い目にあわされるという評判が専らであった。 然し魔は何処に潜んでいるか計り....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
は恥辱で顔を充血さした。 世界大戦後、経済界の恐怖に捲込まれて真佐子の崖邸も、
手痛い財政上の打撃を受けたという評判は崖下の復一の家まで伝わった。しかし邸を見上....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
、自分が何か一言でも他人から言われると飛び上って騒ぎたてる。君が他人から言われて
手痛いように、他人だって君にずけずけ言われて、どんなに
手痛いか、君はそんな事は思....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
いうのは面目にかけて大切なことだからな。」 悪漢どもは互に顔を見合せたが、この
手痛い言葉を黙って聞き流してしまった。 「ディックは気分がよくねえんですが。」と....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の財産状態はいかがでしょうか」 「大旦那の買いつけが事々にしくじりまして、かなり
手痛い損失がつづいておりまして一応苦しくなっておりますが、まだまだ屋台骨はシッカ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
る。 最後に総括すれば、善悪二相が極端に現れ、二十四五、三十二三、三十七八には
手痛い苦しみをし、これからも紆余曲折の生涯を辿る人ではあるが、仕事は立派に成しと....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
たがた更にその許可を取消す事になったのだと言っていたそうである。とにかくにこれで
手痛い攻撃をうけたためか、歌舞伎座はその年の十一月まで引きつづいて閉場していた。....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
役人らの憐愍も同情もなかった。吉五郎は吟味の役人に対して、先度の御吟味があまりに
手痛いので自分は心にもない申立をいたしたのであるが、小間物屋の一条は一切おぼえの....
「城」より 著者:カフカフランツ
いう問題は、うまい解決に近づきつつあるように見えた。むろんこれはおかみにとっての
手痛いお灸だった。――人びとはそのことをちょっとばかり笑ったものだった――つまり....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。
災難はもう遠くはない。
メネラス王が大軍を起して、
お前方を責めに来るのだ。
手痛い軍の支度をするが好い。
その女を手に入れた報には、
今に勝ち誇った兵卒共に....