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「手癖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手癖の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古典風」より 著者:太宰治
から左からまつわりつくようにして歩きながら、 「え? なぜ、来たの? あたしは、手癖がわるいのよ。追い出されたのよ。あたしの家、きたなくて、驚いたでしょう? で....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
男は芝浦で泳いでいるうちに沈んだ。次男は麻疹で命を奪られた。三男は子供のときから手癖が悪いので、おまきの方から追い出してしまった。 「わたしはよくよく子供に運が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
売の者として大目にも見られたのであるが、そのほかに誰にもゆるされないのは、かれの手癖の悪いことであった。それは殆ど天性ともいうべきで、お紺は手あたり次第に楽屋じ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
屋へ火を付けたとかいう噂もありますが、それはまあ一種の小説でしょう。花鳥はどうも手癖が悪くって、客の枕探しをする。その上に我儘者で、抱え主と折り合いがよくない。....
灯籠」より 著者:太宰治
でなりません。一生のうち、たったいちど、思わず右手が一尺うごいたからって、それが手癖の悪い証拠になるのでしょうか。あんまりです、あんまりです。たったいちど、ほん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
い刀の鞘《さや》を払い、七兵衛が来たら切らぬまでもこれで嚇《おど》しつけて、その手癖を直してやろうと、燈火《あかり》の下へ右の白刃《しらは》を置いて、机を持って....
黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
てあとを閉し「お母さん」と縋り付いた。 歌寿は泣き且つ怒った。「勘当をされても手癖がなおらぬ上に大恩ある家のお嬢様を盗むは何事だ」と責めた。 「どうしてそれを....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
嘉助という者の実は……甥《おい》なんだがね」 「はい」 「餓鬼《がき》の時分から手癖が悪くって、諸所方々をほうつき廻り、めったに叔父さんといってたずねたことはね....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
か、何だってまた、人間が鉄砲で打たれちまったんだ」 「それがつまりお仕置よ。何か手癖が悪くて仲間の物を盗《と》った奴があって、それが見つかったものだ。ふだんなら....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い女だった。服装も整えていた。彼女はすっかりフランスふうになりきってるある利口な手癖の悪いイギリスの女と、同じ家に住んでいたが、その室《へや》は気取った卑しい飾....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
のもゐるし、筋骨隆々眼光するどく悪憎の面醜の老婆、ほかの人雇つちやダメよ、みんな手癖が悪いからと声をひそめて忠告してくれる女もゐる、いづれも鬼気をひそめ妖気を放....
夜光虫」より 著者:織田作之助
違いまっしゃろ――。あの女はこれでっせ」 と、人差指をクの字に曲げるのだった。手癖が悪い――泥棒だというのである。 驚いて、きくと、隣の部屋の女客の著物を盗....
」より 著者:岡本綺堂
たが、あたくしはこのおじさんの遠縁にあたる者で、生れは相州小田原在、餓鬼の折から手癖が悪く……じゃあ大変だが、まあ些っとばかりペンペンを仕込まれたのが因果で、先....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
しい少年でしたが、年頃になると不良仲間に入り隼の正という名までつけられ、その上、手癖が悪るく箸にも棒にもかからなかったが、喧嘩で大怪我をしたのが原因で死にました....