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「手盛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手盛の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
んよ」 叔母は真事の立った後《あと》へ坐って、さっさと松茸飯《まつだけめし》を手盛《てもり》にして食べ始めた。 「そう怒ったって仕方がない。そこに事実があると....
新生」より 著者:島崎藤村
《ささ》の葉、皆|濡《ぬ》れて見えた。彼は飯櫃《めしびつ》を自分の方へ引寄せて、手盛りでノンキにやった。その部屋から雨を眺《なが》めながら独りで飯を食った。 ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
子の露、南瓜の煮付を馳走振に勧めてくれた。いずれも大鍋にウンとあった。私達は各自手盛でやった。学生は握飯、パンなぞを取出す。体操の教師はまた、好きな酒を用意して....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
うで、そこに腰掛けたまま飯櫃を引きよせ、おりからの山の蕨の煮つけなぞを菜にして、手盛りにした冷飯をやりはじめた。半蔵は鎗をかついで浪士らの供をしたという百姓の骨....
一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
盟結成と前後して満蒙侵略中国再分割の戦争を開始している。この侵略戦争は満州国のお手盛建設で終る性質のものではなく、ソヴェト同盟への侵略と第二次帝国主義世界戦争へ....
「モダン猿蟹合戦」」より 著者:宮本百合子
鉄道ハカイを口実に、日本のブルジョアはワーッと満州にのし出し、〔二字伏字〕し、お手盛で手先となる支那ブルジョアを〔二字伏字〕政府に〔三字伏字〕こんだのです。 ....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
たりして財源は不確定になって来た。男子の任官というものも、全く藤原氏の権力者のお手盛りであったから、下級官吏達の生涯は、始めから終りまで不安定で、一旦藤原氏の機....
社会時評」より 著者:戸坂潤
るが、東京市会が本年度の予算編成に際して、市会議員の歳費千二百円を三千円に増額お手盛りしようとした事実を、読者はここで思い出して欲しい。尤も之はいくら何でも外聞....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
い。……」 磯は黙って煙草をふかしていたが、煙管をポンと強く打いて、膳を引寄せ手盛で飯を食い初めた。ただ白湯を打かけてザクザク流し込むのだが、それが如何にも美....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のは並べてある、しかも相当凝っている。 「さあさあ、お給仕だけは御免だよ、君たち手盛りで遠慮なく食い給え、米友君、君ひとつ弁信さんに給仕をして上げてな、食い給え....
三国志」より 著者:吉川英治
のぞく以外は嫉視反感あるのみだった。 天下はまだ曹操の現在の位置を目して、「お手盛りの丞相」と、蔭口をきいていた。その武力にはおそれても、その威に対しては心服....