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手盛り
「手盛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手盛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
《ささ》の葉、皆|濡《ぬ》れて見えた。彼は飯櫃《めしびつ》を自分の方へ引寄せて、
手盛りでノンキにやった。その部屋から雨を眺《なが》めながら独りで飯を食った。
....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
うで、そこに腰掛けたまま飯櫃を引きよせ、おりからの山の蕨の煮つけなぞを菜にして、
手盛りにした冷飯をやりはじめた。半蔵は鎗をかついで浪士らの供をしたという百姓の骨....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
たりして財源は不確定になって来た。男子の任官というものも、全く藤原氏の権力者のお
手盛りであったから、下級官吏達の生涯は、始めから終りまで不安定で、一旦藤原氏の機....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
るが、東京市会が本年度の予算編成に際して、市会議員の歳費千二百円を三千円に増額お
手盛りしようとした事実を、読者はここで思い出して欲しい。尤も之はいくら何でも外聞....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のは並べてある、しかも相当凝っている。 「さあさあ、お給仕だけは御免だよ、君たち
手盛りで遠慮なく食い給え、米友君、君ひとつ弁信さんに給仕をして上げてな、食い給え....
「三国志」より 著者:吉川英治
のぞく以外は嫉視反感あるのみだった。 天下はまだ曹操の現在の位置を目して、「お
手盛りの丞相」と、蔭口をきいていた。その武力にはおそれても、その威に対しては心服....