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手真似
「手真似〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手真似の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
や反《そ》り身になって、鼻の高い、眼光の鋭い顔を時々ちらりと眺めながら、勢いよく
手真似《てまね》をして、しゃべり出した。
「いやそう云うつもりじゃないです。――....
「河童」より 著者:芥川竜之介
聴診器を当てていました。その河童は僕が目をあいたのを見ると、僕に「静かに」という
手真似《てまね》をし、それからだれか後ろにいる河童へ Quax, quax と声....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
べき、陰鬱な眼つきになりながら、私にも卓子《テーブル》の向うの椅子へかけろと云う
手真似をして見せた。
「ほんとうですか。」
私は椅子へかけると同時に、我知らず....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
讐《かたき》、思い知れ」と云いながら、やったのだそうです。……」
藤左衛門は、
手真似をしながら、笑い笑い、こう云った。
「それはまた乱暴至極ですな。」
「職人....
「路上」より 著者:芥川竜之介
田はその部屋の戸を開けて、後《うしろ》の三人を振返りながら、「御覧なさい」と云う
手真似《てまね》をした。ここは柔道の道場を思わせる、広い畳敷の病室だった。そうし....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
「御待ちなさい。」
彼は歩みを続けながら、何か眼に見えない物を払いのけるような
手真似をした。
「私はあなたをおめおめと大蛇の犠《いけにえ》にはしたくないのです....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
らせる。すると猿がもう一匹いつか同じ枝の上にゆらりと腰をおろしている。二匹の猿は
手真似《てまね》をしながら、暫く何か話しつづける。それから後に来た猿は長い尻っ尾....
「星座」より 著者:有島武郎
輝きだして、湯気《ゆげ》を立てんばかりな平べったい脂手が、空を切って眼もとまらぬ
手真似の早業《はやわざ》を演ずる。そういう時仲間のものは黙ってそれが自然に収まる....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
合だ、その掏摸も祝ってやれ。可かろう、」 と乗気になって、め組の惣助、停車場で
手真似が交って、 「掏摸万歳――と遣ったが、(すりばんだい。)と聞えましょう。近....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
「そんなおたんちんじゃアないよ」 「まア、お聴きよ」と、お袋は招ぎ猫を見たような
手真似をして娘を制しながら、「そう来るのア向うの順じゃアないか? 何でもはいはい....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、を唄いながら、黒雲に飛行する、その目覚しさは……なぞと、町を歩行きながら、ちと
手真似で話して、その神楽の中に、青いおかめ、黒いひょっとこの、扮装したのが、こて....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、円髷に結うた婦の、嬰坊を抱いたと一所に、垣根に立ってござって……」 と老人は
手真似して、 「ちょうちちょうちあわわ、と云うてな、その児をあやして、お色の白い....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
論世間に茶の湯の宗匠というものはいくらもある。女子供や隠居老人などが、らちもなき
手真似をやって居るものは、固より数限りなくある、乍併之れらが到底、真の茶趣味を談....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ために、天に代りて、大いに述懐せんとして、続けてなお説おうとするのを、お夏は軽く
手真似で留めた。 「およしなさいな、まあ後でゆっくり。おばさん、お土産があるんだ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、聞き果てると、しばらくうっとりして、早や死の色の宿ったる蒼白な面を和げながら、
手真似をすること三度ばかり。 医学士が頷いたので、橘が筆をあてがうと、わずかに....