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手短
「手短〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手短の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ラと変らなかった。重吉はやはり彼女にも「お母さん、きょうはどうですか?」と云う、
手短な一語を残したまま、六畳の茶の間へはいるのだった。
妻のお鈴は茶の間にいな....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
は、世間一般の人間と余り変りのない事を信じて下さい。そうですか? では出来るだけ
手短かに、わたしの用向きを述べる事にしましょう。わたしはある男の魂のために、「み....
「冬」より 著者:芥川竜之介
がい》変っていないことは幾分か僕を力丈夫にした。僕等は感傷主義を交《まじ》えずに
手短かに用事を話し合った。が、僕の右隣りには兄に会いに来たらしい十六七の女が一人....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
それから先の事は、申し上げるのさえ、御恥しいくらいでございますから、なる可く
手短に御話し致しましょう。私共が天上皇帝を祈りましたせいか、あの恐ろしい幻は間も....
「影」より 著者:芥川竜之介
のないのは妙じゃないか。おまけにその『影』と云うのが妙な写真でね。――」
私は
手短かに『影』の梗概《こうがい》を話した。
「その写真なら、私も見た事があるわ。....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
ければ、今でもさし上げよう。実は、私は、ただの人間ではない。」老人は、それから、
手短に、自分の経歴を話した。元は、何とか云う市《まち》の屠者《としゃ》だったが、....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ここにはわざと申上げません。私は、それより二三の権威ある実例によって、出来るだけ
手短《てみじか》に、この神秘の事実の性質を御説明申したいと思います。まず Dr.....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の身の上にも私相当の変化をひき起こしていた。私は足かけ八年住み慣れた札幌――ごく
手短に言っても、そこで私の上にもいろいろな出来事がわき上がった。妻も迎えた。三人....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
てはなるまいと思った。 そこへ兄の浩が、フウフウ云いながら、帰ってきた。真弓は
手短かに、一部始終を兄に話し、紅子の手紙を東京へ電報することを相談した。 「そり....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
「それで青竜王はどうしたんです」 と大江山が不審がるので、雁金検事は一伍一什を
手短かに物語り、九時までに彼の電話が懸って来る筈だったのだと説明した。 「では青....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
、音と音との間隔が、暗号数字になっているのであった。私は白木の傍へとんでいって、
手短かにこれを報告した。 「そうか、遂に発見されたか。うん、そいつは素晴らしい。....
「火薬船」より 著者:海野十三
なんて、だらしがないぞ」 「冗談いうな。おれは酔っちゃいない」 そこで竹見は、
手短かに、ハルクのことをはなして、丸本にもハルクを見かけなかったかとたずねたが、....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
だし、考えて見てもサ、空中戦は大空のことだからね」 そこで彼は飛行機の侵入論を
手短かに語った。今ここに二重三重の空中防備をして置いたとしても、敵の何千、何百と....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ますが……。 ナニ私が死ぬる前後の事情を物語れと仰っしゃるか……。それではごく
手短かにそれだけ申上げることに致しましょう。今度こそ、いよいよそれっきりでおしま....
「暗号数字」より 著者:海野十三
えて、電話を切った。 大辻助手には、すぐに出懸けるからと前提して、電話の内容を
手短かに話をし、帆村がどこに連れてゆかれるかを確かめるため、適当に車をもって公園....