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「手筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
て、白い西洋封筒の一端を美しい指の爪《つめ》で丹念《たんねん》に細く破り取って、手筋は立派ながらまだどこかたどたどしい手跡でペンで走り書きした文句を読み下して見....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
った。 さて、この辻から、以前織次の家のあった、某《なにがし》……町の方へ、大手筋《おおてすじ》を真直《まっすぐ》に折れて、一|丁《ちょう》ばかり行った処《と....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
げず悪所通いはする、ばくちには入れ揚げる、仕事はなまける、いくつ人形を焼かしても手筋はわるい、七年まえから内弟子に取ってはいたんですが、からきしもう先に望みのな....
乱世」より 著者:菊池寛
日の形勢に立至り候段、恐惶嘆願の外無御座候。何卒平生の心事御了解被成下大納言様御手筋を以乍恐朝廷へ御取成寛大の御汰沙|只管奉歎願誠恐誠惶 謹言 酒井孫八郎 吉村....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
所謂小本の型に切って、原本をそのまゝ透き写しにすることになったのです。お近さんは手筋が好い、その器用と熱心とで根気よく丹念に一枚ずつ写して行って、幾日かゝったの....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
……。ぬしさんこそ、小芳さんとやらに岡惚れしんすなえ」 「腰本黒鍬左衛門とはちと手筋が違うわい。アハハ……。世の中にはまだ退屈払いがたんとあるのう。女共、気まぐ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
来坊よ。いかがでござるな。青江流とはまたちと流儀違いでござるが、少々は身共も槍の手筋を学んでじゃ。退屈払いに二三合程お対手仕るかな」 ウフフ、また軽く笑って老....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
という我が名を大きく書いて、書判も据えてあった。その手蹟も拙なからず、武士らしい手筋とみえた。本文の書状のうちには、二分判一つを入れるほどの小さい袋もまき込んで....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
んだものだ。 二つの手紙が時を同うして舞いこんだのは、偶然だろうか、夫婦談合の手筋の狂いからだろうか、と。ナレアイの離婚というのは悪意に解しすぎるようだが、根....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
目にアリアリと黒の見落した筋を思い浮べた。その時、千代の頭にひらめいたのは、その手筋であった。彼女は顔色の変るほど驚いた。彼女は腹に力を入れて、ウンとこらえた。....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
、凧の唸り、馬の嘶、座頭の高声、弥次郎兵衛も来れば喜太八も来る。名に負う江戸の大手筋東海道の賑やかさは今も昔も変わりがない。 その人通りを縫いながら駕籠と馬と....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
画の一つであったのだろう。 観相家は果して相応におもしろいことをいった。藤村の手筋を仔細らしく検めてみて、「あなたは今事業を企てておいでになる。すえには必ず目....
おせん」より 著者:邦枝完二
ん。あいつァ七八つの時分から、手習ッ子の仲間でも、一といって二と下ったことのねえ手筋自慢。あっしゃァ質屋の質の字と、万金丹の丹の字だけしきゃ書けやせんが、おせん....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
あっけにとられて居るのをガルスワーシーは引きとった。 ――妻に世話を焼かす運命が手筋に出てはいませんか」 ガルスワーシーの座興的なうけ答えのように一見其の場の....
五重塔」より 著者:幸田露伴
や、汝らが工風の輪の外に源太が跳り出ずにあろうか、見るに足らぬとそちで思わば汝が手筋も知れてある、大方高の知れた塔建たぬ前から眼に暎って気の毒ながら批難もある、....