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「手箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のままに残して置いた。 その伝蔵が十月六日の夜ふけに、主人の寝室へ忍び込んで、手箱の金をぬすみ出そうとするところを、眼をさました左京に咎《とが》められたので、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せん」 「その晩に失せ物はありませんでしたかえ」 「無いようでございます。主人の手箱に幾らかの金が入れてあったかとも思いますが、奉公人のわたくし共にも確かに判り....
婦系図」より 著者:泉鏡花
「畜生め、拝んでやれ。」 と好事に蹲込んで、溝板を取ろうとする、め組は手品の玉手箱の蓋を開ける手つきなり。 「お止しよ、遁げるから、」 と言う処へ、しとやか....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
また同じことだった。長雨の中に旗を垂らした二万|噸の××の甲板の下にも鼠はいつか手箱だの衣嚢だのにもつきはじめた。 こう云う鼠を狩るために鼠を一匹|捉えたもの....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
うと、あるじの三娘子は或るうつわを取り出して、それを蝋燭の火に照らし視た。さらに手箱のうちから一具の鋤鍬と、一頭の木牛と、一個の木人とを取り出した。牛も人も六、....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
、それをもらいうけた。そしてその代りにと、夫人は風呂敷のなかから、寄せぎれ細工の手箱をとりだし、 (これは手製ですが、房枝さんの身のまわりのものでもいれてくださ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
かも愛するものとともに活きれば、少しも不足はなかろうと思う。宝玉とてもその通り、手箱にこれを蔵すれば、宝玉そのものだけの価値を保つ。人に与うる時、十倍の光を放つ....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
島田髷が流れる……緋鹿子の切が解けて浮いて、トちらりと見たのは、一条の真赤な蛇。手箱ほど部の重った、表紙に彩色絵の草紙を巻いて――鼓の転がるように流れたのが、た....
南地心中」より 著者:泉鏡花
に思って。 天満の鉄橋は、瀬多の長橋ではないけれども、美濃へ帰る旅人に、怪しい手箱を託けたり、俵藤太に加勢を頼んだりする人に似たように思ったのだね。 由来、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
び込んだな。やっぱり金を取るつもりか」 「そうです」と、金次はうなずいた。「金は手箱に入れておふくろの居間にしまってあるということは、娘をおどして聞いて置いたん....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、あんな不思議な浦島太郎のお伽噺に作り上げたのでございましょう。最後に出て来る玉手箱の話、あれも事実ではありませぬ。別にこの竜宮に開ければ紫の煙が立ちのぼる、玉....
『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
きたい構想のものであるから、この紙数では物足りない。 『新学期行進曲』と『電気玉手箱』と『新聞社見学』と『文化放送演芸――電気』とは、ともに放送の台本である。そ....
多神教」より 著者:泉鏡花
す。社殿の片扉、颯と開く。 巫女 (階を馳せ下る。髪は姥子に、鼠小紋の紋着、胸に手箱を掛けたり。馳せ出でつつ、その落ちたる梭を取って押戴き、社頭に恭礼し、けいひ....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
ためであると報道した。 無論博士自身もそう信じきっていたのだッたが、はからずも手箱の中から一冊の洋書と遺書とを発見したことによって、死の原因は根本から覆えされ....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
決してなさるまいと信じて疑いません。 私は読み終って夫人に手紙を返した。彼女は手箱の中にそれを納いながらいうのだった。 「後になって勝田夫人の写真を見ましたが....