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手紙
「手紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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往来の角《かど》に立っているポスト。ポストはいつか透明になり、無数の
手紙の折り重なった円筒の内部を現して見せる。が、見る見る前のようにただのポストに....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
ろう。あの雨の最中《さいちゅう》に若槻《わかつき》から、飯を食いに来ないかという
手紙なんだ。ちょうど僕も暇だったし、早めに若槻の家へ行って見ると、先生は気の利《....
「影」より 著者:芥川竜之介
色の蒼白い書記の今西《いまにし》が、無気味《ぶきみ》なほど静にはいって来た。
「
手紙が参りました。」
黙って頷《うなず》いた陳の顔には、その上今西に一言《いち....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
う御用商人の娘と縁談が整《ととの》ったと云うだけでしたが、その後引続いて受取った
手紙によると、彼はある日散歩のついでにふと柳島《やなぎしま》の萩寺《はぎでら》へ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
た。就中《なかんずく》妙に気の毒だったのはいつも蜜柑《みかん》を食っていなければ
手紙一本書けぬと言う蜜柑中毒の客の話です。しかしこれはまたいつか報告する機会を待....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
はその封書を開く前に、まず度《ど》の強そうな眼鏡《めがね》をかけた。封筒の中には
手紙のほかにも、半紙に一の字を引いたのが、四つ折のままはいっていた。
「どこ? ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
しょに行くのですか?
保吉 勿論一しょに行くのです。しかし妙子は立つ前に達雄へ
手紙をやるのです。「あなたの心には同情する。が、わたしにはどうすることも出来ない....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
う》氏も誰かからこの話を聞いたと見え、どうも馬の脚になったことは信ぜられぬと言う
手紙をよこした。岡田氏はもし事実とすれば、「多分馬の前脚《まえあし》をとってつけ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
落ちて来た紙切れがあります。 「おや、紙切れが落ちて来たが、――もしや御嬢さんの
手紙じゃないか?」 こう呟いた遠藤は、その紙切れを、拾い上げながらそっと隠した....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
、僕は卒然飯田蛇笏と、――いや、もう昔の蛇笏ではない。今は飯田蛇笏君である。――
手紙の往復をするようになった。蛇笏君の書は予想したように如何にも俊爽の風を帯びて....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
私は久しい前から机の抽斗を掃除しようと思っていたのだ。私は三十年来、同じ机の中へ
手紙も勘定書もごたごたに放り込んでいたからだ。抽斗の中が手のつけようもないほどと....
「初雪」より 著者:秋田滋
外にいたので、ほんの少しではあったが、彼女は悪感がした。 家へ帰ると、良人から
手紙が来ていた。彼女は相かわらず微かな笑みをうかべながら、その封を切って、それを....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
しき者なればとて、外に知辺もなければこの人を便りとしたりしなり。尋ね着きて伯父の
手紙を渡せば、その人は受取りて表書の名を見るより涙を溢して悦び、口早に女房にも告....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
商店の番頭をしておった人もある。後までも心易く交際しておった。アボットと往復した
手紙をして困るというような事も述べてある。ファラデーは随分と物忘れをして、困った....
「寡婦」より 著者:秋田滋
る者がどこにあるでしょう! 私はその子が満足するだけ接吻をしてやりました。優しい
手紙も書きました。その
手紙は母親たちも読んでいたのです。その子は火のような
手紙を....