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「手綺麗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手綺麗の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
りばち》に拵《こしら》えて置いた、あれを、鉢に入れて、小皿を二つ、可《い》いか、手綺麗《てぎれい》に装《よそ》わないと食えぬ奴さね。……もう不断《ふだん》、本場....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
便のために絵を描くのであるから、所詮は素人の眼を誤魔化し得るだけに、ただ小器用に手綺麗に塗り付けて置けばよいのである。田舎侍に何がわかるものかと時々こう思い直す....
道標」より 著者:宮本百合子
いるスープ鍋だった。ここの、廃園の奥にあるレーニングラード※ヴ・オ・ク・スは丁度手綺麗な切子ガラスのオードウヴル(前菜)の皿のようだった。よけいなものは何一つな....
伸子」より 著者:宮本百合子
出発する頃は普請中であった部屋部屋が、すっかり今は住み馴らされていた。母の居間は手綺麗な四畳半になっていた。低い茶室好みの襖が二人の背後で閉まると、伸子は、 「....
南路」より 著者:宮本百合子
腰を投げかけた心持が、何ともいえない快よさで想像に浮ぶ。旅舎独特のこぢんまりした手綺麗さ。―― 心を他にとられて、短い言葉で応待する自分の眼には、日曜の朝とは....
日は輝けり」より 著者:宮本百合子
さえ、載せきれない「彼等のいがみ合い」の一つとして、世の中の上澄みは、相変らず、手綺麗に上品に、僅かの動揺さえも感じずに、すべてが、しっくり落付いていたのである....
「下じき」の問題」より 著者:宮本百合子
も、稚拙だからでもなく、それどころか、どの作品も趣向はそれぞれにこらしてあって、手綺麗に色もとりどりであるけれども、そのあまりにも多くが、駅の売店につられている....
家庭創造の情熱」より 著者:宮本百合子
事もついて来る。洗濯盥の権利も主張される。それらは今日の私たちの生活の上で決して手綺麗にすまされ処理されることがらでなくなって来た。若い主婦はいかに明敏であろう....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
大阪方の若島は強いですね。手もなく荒岩を投げつけましたよ。荒岩の一生にあのくらい手綺麗に投げられたことは、二度とないかも知れません。ことによると、常陸山なぞもや....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
も太く濁りたれば、漉して飲用に供しおれり。建てて数十年を経たる古家なれば、掃除は手綺麗に行届きおれども、そこら煤ぼりて余りあかるからず、すべて少しく陰気にして、....
レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
中は絶えず彼の研究の助手となって働くことを楽しみとしていた。することが綿密丹念で手綺麗で、面倒な計算をチェックしたり、実験の読取りを記帳し、また自分でも読取りを....
食道楽」より 著者:村井弦斎
いだ》さしめ「小山君、この火鉢は僕の新工風に成ったのだ。本式に製造させればもっと手綺麗《てぎれい》に出来るけれども間に合せだから武力屋《ぶりきや》へ頼んで普通の....