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手繰る
「手繰る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手繰るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
串戯にしてもと、私は吃驚して、言も出ぬのに、女はすぐに幅狭な帯を解いた。膝へ
手繰ると、袖を両方へ引落して、雪を分けるように、するりと脱ぐ。……膚は蔽うたより....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
のは凧を上げ、独楽を持ちたるは独楽を廻す。手にものなき一人、一方に向い、凧の糸を
手繰る真似して笑う。 画工 （枠張のまま、絹地の画を、やけに紐からげにして、薄汚....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
「いや、結構、是非願います。」 と、うっかりらしく手に持った女の濡手拭を、引
手繰るようにぐいと取った。 「まあ。」 「ばけもののする事だと思って下さい。丑満....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
言い値に買おうと思って、声を掛けようとしたが、隙がない。女が手を離すのと、笊を引
手繰るのと一所で、古女房はすたすたと土間へ入って行く。 私は腕組をしてそこを離....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
い。もっとも若い内は遣ったかも知れんてな。ははは、」 人も無げに笑う手から、引
手繰るように切符を取られて、はっと駅夫の顔を見て、きょとんと生真面目。 成程、....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
く、次第びきに、ぐるぐるぐる。……幕へ衝と消える時は、何ものか居て、操りの糸を引
手繰るように颯と隠れた。 筵舞台に残ったのは、青行燈と雪女。 悄れて、一人、....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
て、軍鶏が蹴つけるように、ポンと起きたが、（寄越せ、）で、一人｜剥いていた柿を引
手繰る、と仕切に肱を立てて、頤を、新高に居るどこかの島田｜髷の上に突出して、丸噛....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
二軒三軒と心覚えにしておいたが、蛇の道は蛇じゃ、段々その術に長ずるに従うて、蔓を
手繰るように、そら、ぞろぞろ見付かるで。ああ遣って印をして、それを目的にまた、同....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
繰れば、向岸へ着く。其後へ又来た者が、其空船を此方へ呼戻す時には、岸から艫の縄を
手繰ると、人は無くても船は房って来る、然ういう甚だ元始的の方法で有った。 「この....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
は屋根裏を仰ぐと、引窓が開いていたので、煤で真黒な壁へ二条引いた白い縄を、ぐいと
手繰ると、かたり。 引窓の閉まる拍子に、物音もせず、五｜分ばかりの丸い灯は、口....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
大看板のある樹立の下に、吹上げの井戸があって、樋の口から溢れる水があたかも水晶を
手繰るよう。 お夏は翳していた日傘の柄を横に倒して熟と見たが、右手に商品陳列所....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ごとく、喟然として不言。ちょうど車夫が唐縮緬の風呂敷包を持って来たから、黙って引
手繰るように取った。 「さあ、お入りな。」 後姿でお夏は格子を、 「おばさん、....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
その魔道伝書を覗いているのを見ると、 「や、いつ帰った。」 というが早いか、引
手繰るや否や、肥っているから、はだかった胸へ腋の下まで突込んだ、もじゃもじゃした....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ままで引取る法があるものか。 推し返す、遣返す――突込む、突放す。引立てる、引
手繰る。始末がつかない。 私でさえ、その始末のつかぬのが道理だと思った。 中....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
の用意全く成れり。 漁史は、手応の案外強きに呆れ、多少危懼せざるに非ざれども、
手繰るに従いて、徐々相近づくにぞ、手を濡らしつつ、風強き日の、十枚紙｜鳶など手繰....