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「手腕家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手腕家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白妖」より 著者:大阪圭吉
た。 いったい堀見亮三氏は、岳南鉄道以外にも幾つかの会社に関係していた錚々たる手腕家なのだが、この数年来|二進も三進も行かない打撃を受けて、押山の父から莫大な....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
堅人などを指さしていうのと違って、六芸に通じた天才を意味しているらしい。天才的な手腕家といってもいいだろう。これが、やはり豹変するのだ。美しい変化を示すのだ。醜....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
んだ。駿三はその子である。青年時代に見込まれて秋川家に入つただけあつて彼は相当な手腕家となつた。一代にして巨富を積んだ。しかも彼はやはり山田家の不幸な血をうけて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てしまったよ」 「だって、やむを得んじゃないか、君ほどの腕を持っていながら、この手腕家を要する非常時代に、いっこう用うるところがない、拙者ときた日には、君ほどの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
手空拳でもって、関八州を横領し、うまく人心を収攬《しゅうらん》したのはなかなかの手腕家だ。当時、関八州は管領の所領であって、万事京都風で、小むずかしいことばかり....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
よかった。それは単に継続されてるというだけで、盛んになっていった。彼はその地方で手腕家との評判を得ていたが、事業の成功は彼の力ではほとんどなかった。彼はただ秩序....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
に王政復古の第一面の特質である。 およそ歴史中、一八一四年ごろから初まり右党の手腕家ヴィレル氏が頭をもたげた一八二〇年ごろに終わったこの小期間に、相似寄った時....
西荻随筆」より 著者:坂口安吾
京都に二年ちかく放浪していた留守中、銀座に羽振をきかせていたアンゴ氏は最も優秀な手腕家で、モダン日本の木村正二が京都の僕を訪ねての話に、銀座のアンゴ氏は当時銀座....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ろしくね」 こうして二人は京都へたった。 「ねえ、記代子さん。彼女は敬服すべき手腕家だよ。しかし、金のかかる手腕だなア」 記代子もつりこまれてニッコリして、....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のは、良人通太郎であった。通太郎の先輩で、海外の視察から戻ってきた八住という若い手腕家が、通太郎の花嫁が克子であると知って、こう語ったそうだ。 「たしか君の新夫....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
、良いような、その物ズバリ的なところもある目の肥えた判断を下した桜井さんは相当な手腕家だな。 彼はこの写真の主の職業をどう考えたであろうか。この写真の主が私で....
魔都」より 著者:久生十蘭
。その奥まった座敷に、穏当らしく会席膳を並べて控えてござるのは、まず主座に名代の手腕家《やりて》の志摩徳兵衛、続いてその子分の、東京貴石倶楽部の松沢一平、夕陽新....
キビキビした青年紳士」より 著者:甲賀三郎
新たに書記長に迎えられた人は最近まで大阪で新聞の経済記者を勤めていた人で、中々の手腕家であるということを推薦者から聞いていた。私は恰度彼の就任挨拶のときに居合わ....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
さんから聞いたのですが、杉山さんは外務省でも評判のいい方だそうですの、美男子で、手腕家で、お家柄もいいというので――、奥様になりたい人が沢山あるそうですの、だか....
日本の頭脳調べ」より 著者:戸坂潤
ようなものだ。この気骨か気魄かが、博士を驚くべき科学者となし、又一種ガムシャラな手腕家としているらしい。かつて東北帝大理学部が新設される時、石原純博士・日下部四....