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手芸
「手芸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手芸の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「作家の手帖」より 著者:太宰治
ことしの七夕は、例年になく心にしみた。七夕は女の子のお祭である。女の子が、織機のわざをはじめ、お針など、すべて
手芸に巧みになるように織女星にお祈りをする宵である。支那に於いては棹の端に五色の....
「嵐」より 著者:島崎藤村
通っては毎日学校のほうから帰って来た。そして、好きな裁縫や編み物のような、静かな
手芸に飽きることを知らないような娘であった。そろそろ女の洋服がはやって来て、女学....
「分配」より 著者:島崎藤村
。末子は、と見ると、これもすでに学校の第三学年を終わりかけて、日ごろ好きな裁縫や
手芸なぞに残る一学年の生い先を競おうとしていた。この四人の兄妹に、どう金を分けた....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
学校をもっているあるマダムの邸宅を訪問した。庸三はこのマダムを、ある婦人雑誌社の
手芸品展覧会で知ってから、一度その家を訪問して、それから一緒に小夜子の家へ飯を食....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ございますので、房枝は、どんなにか、なぐさめられているのでございますわ。奥様は、
手芸にも御堪能なのですわねえ。ああ、おそばに毎日おいていただいて、奥様から
手芸を....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
三あるにはあっても、小さ過ぎたり、概して弱くてお話にならない。しかもそれが例の「
手芸木製品」だとあってなかなか安くないのである。詰らない事柄だが、私はこれによっ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
、繊維を引き出し、其片糸を幾筋も合せては、糸に縒る。 郎女は、女たちの凝っている
手芸を、じっと見て居る日もあった。ほうほうと切れてしまう藕糸を、八|合・十二|合....
「樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
万茶屋がむかしをうたふもあめり、何事ぞや身は小官吏の乙娘《おとむすめ》に生まれて
手芸つたはらず文学に縁とほく、わづかに萩《はぎ》の舎《や》が流れの末をくめりとも....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
照らしその地上では鳩の群が餌をあさりながら啼いていた。吉野桜が散ってきた。堂の横
手芸人の背後に巨大な公孫樹が立っていたが、まだ新芽は出ていなかった。鼬の大きさは....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
は政子姉と、従姉の藤子とが私より四つ、五つ年上で、美しい娘として三味線や、琴や、
手芸などを競って習い、揃いの着物を着たりして、絶えず美と芸との雰囲気を発散させて....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
企てたのは女子教育であった。 優美よりは快活、柔順よりは才発、家事よりは社交、
手芸よりは学術というが女に対する渠の註文であった。この方針から在来の女大学的主義....
「妾宅」より 著者:永井荷風
。髱留《たぼど》めの一、二本はいつも口に銜えているものの、女はこの長々しい熱心な
手芸の間《あいだ》、黙ってぼんやり男を退屈さして置くものでは決してない。またの逢....
「今日になるまで」より 著者:上村松園
盤と石筆を風呂敷に包んで通学したものでした。 その頃習ったものは修礼(お作法)
手芸が主なものでした。私は絵が好きで、いつも石盤に美人画を描きましたので、誰も彼....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
給も取れている長男夫婦は銀の置時計ぐらい奮発しましょうし、女学校へ行っている娘は
手芸を丹精して贈りましょうし、幼稚園へ通っている末の子は富士山の貼紙細工でもして....