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手荒い
「手荒い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手荒いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青木の出京」より 著者:菊池寛
六時間だ。その間だけ、十分に青木を警戒することは、なんでもないことだ。今ここで、
手荒い言葉をいって別れるより、ただ二十六時間だけ、彼の相手をしてやればいいのだと....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あると聞いたをさいわい、船頭の権七どのに三両渡して事情を打ちあけ、ゆうべのような
手荒いまねをしたのでござります。それというのも、こちらの九郎兵衛様があとのひとり....
「新生」より 著者:島崎藤村
然に育てたい、拳固《げんこ》の一つも食《くら》わせずに済むものならなるべくそんな
手荒いことをせずに子供を育てたい、とそう岸本も思っても残酷な本能の力は怒なしに暴....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ょうは名代《みょうだい》に出て来てくんなすったんだが、うちの親分より些《ち》っと
手荒いからそう思え。てめえの襟っ首にぶら下がっているものに、親分の不審がかかって....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
って、恐れ入るのが当然である。然し中には強情なしたゝか者があって、時には刑事達の
手荒い取調べにも頑強に屈しないものがある。写真師浅田の場合はそれだった。 「それ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
位では、血が止まらぬ。主人の足裏も鯊の顋の様に幾重も襞をなして口をあいた。あまり
手荒い攻撃に、虎伏す野辺までもと跟いて来た糟糠の御台所も、ぽろ/\涙をこぼす日が....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
だした。これは牛丸君から聞いたことだが、おそらくほんとうであろう。 どこまでも
手荒い賊どものやり方だ。最新式の乗り物や殺人の器械を自由に使いこなして、必ず目的....
「火星兵団」より 著者:海野十三
めよ」
「いや、とめない。もしとめると、わしは、また人間を殺すだろう。なるべく、
手荒いことはしたくないからなあ」
そう言って丸木は、スピードをさらにあげて、芝....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
者の生命を保証することはできませぬ」 「いやわかっている。ジャック、お前はすこし
手荒いぞ。ちと慎め」 「なにが
手荒いものですか。私は昨日、この日本の小猿めに床の....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
のらしいのである。なお彼は水溜りの中へもぐり込みその泥を全身に塗りつけて、とても
手荒い相貌を製造する。しかる後、彼は叫ぶのだ。 彼が異性を目指しての突進は砲弾....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
よりもそっと立派な優った者を見立てゝ遣る、心配しなさんな大きに何うも癇癪に障って
手荒い事を云って心配させたが、勘忍して呉んな」 馬「何ういう訳でございますか苛く....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
ていて物凄いことには、――彼の姿勢も、歯を露わしたにやにや笑いの表情も、そういう
手荒い取扱いを受けても、少しも変らないのであった。また、船が跳び上る度に、ハンズ....
「潮風」より 著者:豊島与志雄
りでそこを逃げ出して、東京で折箱屋をやってる伯母を頼ってきた。伯母の家で、五年間
手荒い仕事に骨身おしまず働いた。それから伯母のところがうまくいかず、店をしまうこ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
するならば、彼はきわめて強者だと言わなければならない。それは自由な意志にたいする
手荒い鍛錬である。しかし一度それを通り越した人々は、そのきびしい気質を、独立の性....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
て、その婦人は色を失って居ります。文治は遠くより声をかけまして、 文「これ/\
手荒いことをするな、是れへ/\」 お瀧という妾は恐る/\文治の傍へ坐りました。....