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「手落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手落の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
時は疑深い彼女の心に影を落した。が、四五日いるうちにそれは全然お嬢様育ちのお鈴の手落ちだったのを発見した。彼女はこの発見に何か満足に近いものを感じ、お鳥の便をす....
」より 著者:芥川竜之介
ども愛児を失おうとした一人である。令息|武矩《たけのり》(三歳)はいかなる家族の手落からか、猛火の中の二階に残され、すでに灰燼《かいじん》となろうとしたところを....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
た。彼等は広い海越しに時々声のない話をした。△△は××の年齢には勿論、造船技師の手落ちから舵の狂い易いことに同情していた。が、××を劬るために一度もそんな問題を....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
られたことで、御自身采配を振って家人を指図し、心限りの歓待をされた為めに、少しの手落もなかったそうでございます。それについて姫は少しくお言葉を濁して居られました....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
か、落ちたものを拾っちゃなら無えとか云うんなら、数え切れ無え程あるんだ。そんな片手落ちな成敗にへえへえと云って居られるかい。人間が法律を作れりゃあ、虫だって作れ....
星座」より 著者:有島武郎
を見るともう三時になっていた。部屋の中は綺麗に片づいていて、客を迎えるのに少しの手落ちもなかった。自分の身なりをも調べてみて、ふたたび机の前に坐ろうとした時、ふ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
いと申して断りましょうかとも存じましたなれども、たいせつなお客様、またどのような手落になりましても相成らぬ儀と、お伺いに罷出ましてござりまする。」 番頭は一大....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
容易に稿を更め難いことは、我も人も熟く承知している所である。この大切な品がどんな手落で、遺失粗相などがあるまいものでもないという迷信を生じた。先ず先生から受取っ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ゃまになるのだ。そこで、会社のほうでは穏便《おんびん》がいいというので、むろん片手落ちの裁判だけれど、私が因果を含められて、雇を解かれたのさ」 白糸は身に沁《....
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
要求するに足るだけの条件、すなわち悲劇の展開に必要なあらゆる境遇、あらゆる運命が手落ちなく描かれ、悲劇的なシチュエイションが十分に用意され、さてそのうえで悲劇的....
明日」より 著者:井上紅梅
瓶二本――枕辺に置いた。あとで王九媽が指折り数えて一つ一つ引合せてみたが、何一つ手落ちがなかった。 この日藍皮阿五は丸一日来なかった。咸亨の番頭さんは單四嫂子....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
を見た。それから家政婦にいいつけて、家じゅうの窓や戸のカギを調べさせた。どこにも手落ちはなく、透明人間が忍びこむすきは、どこにもない。そこへ警察署長が、しんぱい....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ういうところだろうなあ」 加賀大佐は通信長を呼出し、ホ型十三号潜水艦との連絡を手落なくとるように命じた。 ホ型十三号潜水艦は、一たいこれからいかなる行動にう....
怪星ガン」より 著者:海野十三
わかに艇内は活発になった。 もちろん隊長テッド博士も操縦室へすがたをあらわし、手落ちなく僚艇へ知らせ、監視を厳重にした。 艇内では、この話でもちきりだ。 「....
火星兵団」より 著者:海野十三
て縄をなうというのは、このことだ。ばかばかしい」 「いや、我々は、すべてのことに手落があってはならないのです。第四の用意としては……」 「第四の用意? ずいぶん....