手薄[語句情報] » 手薄

「手薄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手薄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って出て行った。その別れぎわに、男はきのうから世話になったお礼をしたいが、路用は手薄《てうす》であるし、ほかには持ち合わせも無いから、これを置いて行く。しかし今....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
押寄せて来ました飛行船飛行機の数は、無慮一千五百機。これを撃破するには、あまりに手薄いわが空軍の勢力でございました。ところが、皆さんが唯今帝都の上空に於て、親し....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
その忠言を欣び、わざと多くの軍勢を引きつれずに行ったのだ。出先で敗れても、国許が手薄にならぬ為の用意であった） 長政も、越前に使を派して朝倉の援兵を乞うた。然....
「山崎合戦」より 著者:菊池寛
敗色既に掩いがたきものがあった。 それと同時に、左翼は淀川を頼みにして、配備が手薄であったところ、秀吉の第三軍たる池田勝入斎が川沿いの歩立の小路を発見し、潜行....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
。幸村は越前兵に突入した。此の日諸隊躍進｜何れも先駆の功名にはやり後方の配備甚だ手薄だった。「御所様之御陣へ真田｜左衛門佐かゝり候て、御陣衆を追ちらし討捕り申候....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
のでございます」 二之御蔵、三之御蔵四、五、六の御蔵を過ぎたが、何の御蔵も用心手薄く、扉が半開きになっていたり番士が眠っていたりした。 透御門から御深井丸へ....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
死んでいたのだ。 一カ月の後、彼女は、別の、色の生白い、ステッキを振り振り歩く手薄な男につれられて、優しく低く、何事かを囁きながら、Ｓ町への大通りを通っていた....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
様御病気でございまして、皆さんが御看病なすっていらっしゃるので、どうもお内庭はお手薄でございましょうから、夜々見廻った方が宜いと主人から言いつかりました、それに....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
と、以前にも増して書物としての形も小さく、紙質も悪しく、版画も粗末に、一切が実に手薄になっている。相変わらずさかんなのは江戸の芝居でも、怪奇なものはますます怪奇....
「時事雑感」より 著者:寺田寅彦
ものの災害を調べているものの目から見ると、この恐るべき強敵に対する国防のあまりに手薄すぎるのが心配にならないわけには行かない。戦争のほうは会議でいくらか延期され....
「函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
が焼ければ間接には飛行機や軍艦が焼けたことになり、それだけ日本が貧乏になり国防が手薄になるのである。それだけ国民全体の負担は増す勘定である。 いずれにしても今....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
の夜店では旧夜店の相貌を見ることは出来なかった。平均された貧しく白い屋台の連続と手薄い品物と何か余情のない乾燥とが、かの桃色の小型タクシーを思い起こさせた。そし....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
は見えなかったが、随分と宏荘な作り方で、土塀がグルリと取り巻いていた。植え込みは手薄で門も小さくて、どこかに瀟洒としたところはあったが、グルリと外廊を巡ったなら....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
木立が繁っていて、その繁みに沿いながら、田沼家の土塀が立っていた。 「この辺最も手薄でござる」 こう囁くと貝十郎は、立ち木の一本へ手をかけて、足で土塀を蹴るよ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
用の厚いタオルをかぶり、それも吹き飛ばされないために、その首根っこを、また一つの手薄なタオルで、後ろからキッと引き締めて、首で結んで、あまりを長く垂らした、まる....