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手製
「手製〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手製の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
になすって下さい。」 「どうも恐れ入ります。」 「旨くはありませんよ、どうせ、お
手製なんですから。」 少し途切れて、 「お内ですか。」 「はい、」 「主税さん....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ように一枚一枚むいて行くと、ようやく幾枚もの新聞紙の中から、手あかでよごれ切った
手製のスケッチ帳が三冊、きりきりと棒のように巻き上げられたのが出て来た。私は小気....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
時だと、夜更けに、のそのそと起きて、鉄砲しらべをして、炉端で茶漬を掻っ食らって、
手製の猿の皮の毛頭巾を被った。筵の戸口へ、白髪を振り乱して、蕎麦切色の褌……いや....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
のです。行かせて下さい。いつも僕のこと想っていてくれる兄さんに、一刻も早く、この
手製のマスクを、あげたいんです」 感激の嗚咽が、静かに時間の軸の上を走っていっ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
を背負って帰った。さぞ腹が減ることと同情したが、何の風情もない。わずかに一切れの
手製パンに、先日岡東より貰った小岩井のバターをつけ、砂糖なしの紅茶を出して、気を....
「火星探険」より 著者:海野十三
奇抜なものを紹介すると、トミーという少年は、おじいさんの老眼鏡のレンズを利用して
手製した不恰好なカメラを贈ってくれた。そしてもしアリゾナに、鳥の羽根を頭にさした....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
なものがあってたまるものか。十五年すれば缶詰だってくさる頃だよ。ましてや金博士の
手製になるあやしき爆弾が、十五年間もじっと正しき時を刻んで、正確なる爆発を……」....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
糸とを持ち出して、綻びを繕ったり、そうかと思うと、工作室から鉋や鋸を借りてきて、
手製の額を壁にかけたりした。 「ベラン夫人。貴女は名誉家政婦に就任されたようなも....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ことが出来る。そうなれば、警視庁のために喜ばしいことである。だからライスカレーの
手製はやめられない。――というのが佐々刑事の言分であった。
とにかく彼は、だ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
くび、――これに弱った――可厭だなあ、臭い、お爺さん、得ならぬにおい、というのは
手製りの塩辛で、この爺さん、彦兵衛さん、むかし料理番の入婿だから、ただ同然で、で....
「故郷」より 著者:井上紅梅
時にもそれを忘れ去ることが出来ないと。ところが現在わたしのいわゆる希望はわたしの
手製の偶像ではなかろうか。ただ彼の希望は遠くの方でぼんやりしているだけの相違だ。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
萎びてしまった彼らの女房たちは、ひだのついた帽子をかぶり、胴の長いガウンを着て、
手製の下衣をつけ、鋏や、針さしやら、派手なキャラコの袋を外側にたらしていた。かわ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
』があった。ドウしてコンナ、そこらに転がってる珍らしくもないものを叮嚀に写して、
手製とはいえ立派に表紙をつけて保存する気になったのか今日の我々にはその真理が了解....
「画室談義」より 著者:上村松園
いつでも白布をかけることにしてあります。 絹布切れでつくったさいはらい、棕櫚の
手製の箒等みな自分専用のものである。 雨の降った翌日のしっとりした空気が掃除に....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
代々だけれど、――この蒲団は新規だな。床に和合神の掛ものと。」 「その菊は――お
手製の、ただ匁と……」 と、眦の切れた目をちょっと細うして莞爾しながら、敷居際....