手詰め[語句情報] » 手詰め

「手詰め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手詰めの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せた。その鋭い瞳のひかりに射られて、お亀は蒼くなってふるえ出した。掛け合いはもう手詰めになって来た。 「あの女はおまえ識っているか」と、半七は小声でお蝶にきくと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ても男と手を切らなければ与次郎殺しの一件を訴人するから覚悟しろという、おそろしい手詰めの談判になって来たので善昌もいよいよ困った。勿論、お国も与次郎殺しの徒党で....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。それは御門政府外国事務掛り、東久世少将、伊達伊予守両閣下へとして、次ぎのような手詰めの談判を意味したものであった。 「……かくのごとき事件は世間まれに見聞いた....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
。そのかけにも老主人が勝ってそうしてすまして相手の銭をさらって、さて悠々と強敵と手詰めの談判に出かけるところにはちょっとした「俳諧」があるように思われた。 最....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かえって相手の大御所気分を煽《あお》ってしまい、近江路は、草津の追分で迎え撃って手詰めの合戦、と手ぐすね引いていると、早くも敵に胆吹山へいなされてしまった――さ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
がついにこの部落の者を怒らして、再三かけ合ったが埒《らち》があかず、ついに今夜は手詰めの談判をするために、こうして大挙してやって来たのであると。 穢多非人の分....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れなかった罪滅ぼしに、おれは、せめていい世話人にだけはなってやりてえ。さあ、その手詰めの試験台があの娘だ、あの娘を罪滅ぼしの試験台に、おれは仲間での出雲の神様に....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
嘘をついてる現場を押えて、リュシアン・レヴィー・クールと自分とどちらかを選べと、手詰めの談判をした。彼女はその問題を避けようと試みた。そしてしまいには、好きな者....
馬妖記」より 著者:岡本綺堂
煮え切らない態度に鉄作は焦れ込んで、今夜もおらちをそっと呼び出して、納屋のかげで手詰めの談判を開いているところを、あたかも祖母のおもよに発見されたのであった。こ....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
な男ではないのだが、もう抜きも差しもならない恋地獄。祭礼の酒に勢いを借りて最後の手詰めの談判をして見たがどうにもいけない。定太郎のことでいっぱいで、あなたのこと....