手間[語句情報] » 手間

「手間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
―弔辞《ちょうじ》などを書いている場合ではない。昼夜兼行に勉強しても、元来仕事に手間《てま》のかかる彼には出来上るかどうか疑問である。保吉はいよいよ弔辞に対する....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
私は作者じゃない。お客さまのお望みに従って、艶物《つやもの》を書いてお目にかける手間取《てまと》りだ。」――こう春水が称しているという噂は、馬琴もつとに聞いてい....
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
》れた時には、医者を呼んで、やっと正気にかえして貰うまで、かれこれ三十分ばかりも手間どった。平吉はその度に、医者から酒を禁じられるが、殊勝らしく、赤い顔をしずに....
十円札」より 著者:芥川竜之介
いた。英吉利《イギリス》語を教える報酬《ほうしゅう》は僅かに月額六十円である。片手間《かたてま》に書いている小説は「中央公論《ちゅうおうこうろん》」に載った時さ....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
いてい火のかかるのを、今か今かと待っていたのである。役人はまた処刑《しょけい》の手間どるのに、すっかり退屈し切っていたから、話をする勇気も出なかったのである。 ....
路上」より 著者:芥川竜之介
な心もちさえした。 「今夜はすっかり遅くなってしまった。何しろ僕等の方は御化粧に手間が取れるものだから。」 俊助と二言《ふたこと》三言《みこと》雑談を交換した....
捨児」より 著者:芥川竜之介
のち》になっても、和尚贔屓《おしょうびいき》の門番が、樒《しきみ》や線香を売る片手間《かたでま》に、よく参詣人へ話しました。御承知かも知れませんが、日錚和尚《に....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
大作 大作を傑作と混同するものは確かに鑑賞上の物質主義である。大作は手間賃の問題にすぎない。わたしはミケル・アンジェロの「最後の審判」の壁画よりも遥....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
を這い上れ。恩地の台所から音信れたら、叔父には内証で、居候の腕白が、独楽を廻す片手間に、この浦船でも教えてやろう。) とずっと立つ。 二十二 「....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
処へおいで下すった因果に、何事も忘れてお聞き下さい。 その蚤だか虱だかを捻る片手間に、部屋から下ったという蕎麦の残り、伸びて、蚯蚓のようにのたくるのを撮んじゃ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ゃないか。」 と呟くうちに真面目になった、銑太郎は我ながら、 「串戯じゃない、手間が取れる。どうしたんだろう、おかしいな。」 二 とは思ったが....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
界に引越して見ると、だんだん判ってまいります。 うっかりつまらぬ事を申上げてお手間を取らせました。私は急いで、あの時、神様が幽界の修行の事、その他に就いて私に....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
うな人であっては、殆ど何事も為し得ない。そうした場合には、右の人物の悪癖の矯正に手間どれて、剰すところが幾何もないことになる。くどいようだが、われ等の求むる人物....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
れはその一秒がいとしい。ただ逃がしてやりたくない。それを現すには、形が小さくて、手間暇のいらない歌が一番便利なのだ。実際便利だからね。歌という詩形を持ってるとい....
活人形」より 著者:泉鏡花
出し、「へん、好い面の皮だ。嫌否なものなら貰いますまい。女|旱はしはしまいし。工手間が懸るんなら破談にするぜ。と不興の体に得三は苛立ちて、「汝、渋太い阿魔だな。....