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手間賃
「手間賃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手間賃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
大作
大作を傑作と混同するものは確かに鑑賞上の物質主義である。大作は
手間賃の問題にすぎない。わたしはミケル・アンジェロの「最後の審判」の壁画よりも遥....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て手伝わせた。一人前の職人は棺桶などを作ることを嫌ったが、腕のにぶい者や若い者は
手間賃《てまちん》の高いのを喜んで、方々の早桶屋へ手伝いに行った。ここの家《うち....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のであるから、銀の質はすこぶる悪い。台場築造はなかなかの難工事であるので、人足の
手間賃も普通より高く、一日一朱という定めで、かのお台場銀を払い渡された。 その....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
になにをするでも無しに、美しい着物を着せられて、旨いものを食わされて、一日一両の
手間賃になる。こんなありがたい商売はないとお亀は喜んでいたが、お蝶は身ぶるいして....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
頼みたいのだが、今日の三時に、改札の僕の側へ立っていて貰えまいか。手荷物五つ分の
手間賃を払うよ。ね、頼むぜ。いいだろう」 伝さんは、むろん二つ返事で引受けた。....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の家から買い上げて行く金魚の量も多くなった。金魚の餌を貰いに来た女中は、「職人の
手間賃が廉くなったので普請は今のうちだと旦那様はおっしゃるんだそうです」といった....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
人立と来ては大仕事で、殊に滝夜叉は傾城の姿ですから、手数がなか／＼かゝる。無論、
手間賃は幾らでもいゝと云うのですが、この男の痩せた生白い背中に、それほど手の込ん....
「東京要塞」より 著者:海野十三
普通の工事なんだ。ただ行くときと、帰るときに、目隠しをされるというだけのことさ。
手間賃は一日七円だ。普通の倍だぜ」 「だって、いくら吉治さんが怪我でゆけないとし....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
本当のラジオ屋、本当の大工、本当の絵描き、本当の自転車屋ではありませんから、その
手間賃を誰一人として支払うものがありません。結局、万さんはよい人やという結論が町....
「阿Ｑ正伝」より 著者:井上紅梅
越えぬ事。 四、呉媽に今後意外の変事があった時には、阿Ｑの責任とす。 五、阿Ｑは
手間賃と袷を要求することを得ず。 阿Ｑはもちろん皆承諾したが、困ったことにはお....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
の面倒もいらない。火口ではオペラグラスの賃貸料がもうかる始末で、後始末の方は全然
手間賃もいらないのである。 雲煙の彼方に三原山が見える。星うつり年かわって自殺....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
らとれた麦を持っている農民が、その麦を売って、又麦を買うということは、中間商人に
手間賃を稼がせるばかりで、いずれの農家でも頗る評判が悪かった。 それからまもな....
「城」より 著者:カフカフランツ
もバルナバスの仕事は欠点がないくらいりっぱなものでした――けれど、こうした仕事の
手間賃は、わたしたちが完全に飢え死してしまうことから守るのにやっとたりるだけでし....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
呑気なもので仕事はいっこう捗らない。ですから割合に入費が余計かかる。で版摺一人の
手間賃が向う扶持で五十銭ずつやらなければならん。
ですからなかなか書物は高く付....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
園を一巡す。目下採収期にして、日本人老若男女ともにこれに従事す。採収高一俵につき
手間賃一ミル（わが六十銭）とす。多く採収するものは、一日に三俵すなわち三ミル（わ....