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手隙
「手隙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手隙の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
のように来ては養父母と内密《ないしょ》で談《はなし》をしていた青柳は、その当日も
手隙《てすき》を見てはやって来て、床の間に古風な島台を飾りつけたり、何処からか持....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
、ろくすっぽう、莨も吸わず、岡持を担ぎ出して、また出て行ってしまう。 晩方少し
手隙になってから、新吉は質素な晴れ着を着て、古い鳥打帽を被り、店をお作と小僧とに....
「足迹」より 著者:徳田秋声
替えや手廻りの物を、芳太郎の目の前に遺しておくのは不安心であった。 「阿母さんの
手隙に洗濯や縫直しをしてもらいたいものがありますから。」と、お庄はそんなにびくび....
「黴」より 著者:徳田秋声
いた俳友の一人から、ある夕方ふと手紙を受け取った。少しお話したいこともあるから、
手隙のおり来てくれないかという親展書であった。 お銀は、体の工合が一層悪くなっ....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
いざ》となると何となく気怯《きおく》れがして、今は忙《いそが》しそうだから、昼の
手隙《てすき》の時にしよう、という気になる。で、言うべき文句迄|拵《こしら》えて....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
いわないで見ておくんなさい。儂は生れつき胡魔化すのが嫌いでネ、なるべくこうしてお
手隙の午前中に伺って、品物をひとつ悠くり念入りに調べてお貰い申してえとねえ旦那、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
のテンもツンも分りません。この間まで居りました、山田の新町の姉さんが、朝と昼と、
手隙な時は晩方も、日に三度ずつも、あの噛んで含めて、胸を割って刻込むように教えて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
落付いた見物気分を起しました。 この時は、もう楽屋も総出で、広小路の女軽業から
手隙に来た連中も、争って、次に行われるジプシー・ダンスを見学しようとして最寄《も....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
一応お宮さんをからかった末に、こう言いました、 「あの若衆に一ぱいあげたいから、
手隙《てすき》になったらここへ来るように言っておくれ」 そう言っている口の下に....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
敷へ案内をしたのも、浴衣を持って来たのも、お背中を流しましょうと言ったのも、皆|
手隙と見えて、一人々々|入交ったが、根津、鶯谷はさて置いて柳原にもない顔だ、於雪....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
かり、ぱっとしない日が続いたねえ。お洗濯がたまって、大事《おおごと》だよ。」 「
手隙を見て、おれが乾してやろう。」 もう起ち上って、庄太郎は、法被《はっぴ》に....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
気の付かぬ位であろうと思われるからです。ようやく第二の法王の具足戒が済み役人達も
手隙になり私のひそかに立去った事を知ったところで、どの方面へ逃げたろうかと始めて....
「トンカトントンカッタカッタ」より 著者:今野大力
お弁ちゃらの縄屋の内儀はお客を連れて工場へ来て効能を述べていた。そして一寸職工が
手隙を見せると彼女は自ら藁束を取って入口へ挿入した。 そして痛ましく恐ろしい悲....