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「手際〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手際の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
、兵衛に勝を譲ろうと思った。が、勝を譲ったと云う事が、心あるものには分るように、手際よく負けたいと云う気もないではなかった。兵衛は甚太夫と立合いながら、そう云う....
」より 著者:芥川竜之介
》の細い硝子《ガラス》の花立てがあって、花びらの一つとれた造花の百合《ゆり》が、手際よくその中にさしてある。察する所この百合は、花びらさえまだ無事でいたら、今で....
路上」より 著者:芥川竜之介
学の講義に忠実な学生だったから、ざっと二時間ばかりの間、熱心に万年筆を動かして、手際《てぎわ》よくノオトを取って行った。それでも合《あ》い間《ま》毎に顔を挙げて....
将軍」より 著者:芥川竜之介
い微笑が浮んでいた。 その内に定刻の一時になった。桜の花や日の出をとり合せた、手際の好《い》い幕の後《うしろ》では、何度か鳴りの悪い拍子木《ひょうしぎ》が響い....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
次がここで油を売っていたんです。」と、お敏と荒物屋のお上さんとを等分に見比べて、手際よく快活に笑って見せました。勿論何も知らない荒物屋のお上さんは、こう云う泰さ....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ったが、床へ据えて、円い手で、枝ぶりをちょっと撓めた形は、悠揚として、そして軽い手際で、きちんと極った。掛物も何も見えぬ。が、唯その桔梗の一輪が紫の星の照らすよ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
がけに、千栽ものの、風呂敷包を持ったまま、内の前を一度通り越して、見附へ出て、土手際の売卜者に占て貰った、と云うのであった。 対手は学士の方ですって、それまで....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
あ、それなんですよ。」 境はあらためて猪口をうけつつ、 「料理番さん。きみのお手際で膳につけておくんなすったのが、見てもうまそうに、香しく、脂の垂れそうなので....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
この間に、いま何か話があったと見える。 「さあ、君、ここへ顔を出したり、一つ手際を御覧に入れないじゃ、奥さん御信用下さらない。」 「いいえ、そうじゃありませ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
舞台は居所がわりになるのだ、と楽屋のものが云った、――俳優は人に知らさないのを手際に化ものの踊るうち、俯向伏している間に、玉の曇を拭ったらしい。……眉は鮮麗に....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
指の尖で、密とクリームを扱いて掌で広げて息で伸ばして、ちょんぼりと髯剃あとへ塗る手際などとは格別の沙汰で、しかもその場末より高くない。 お職人が念のために、分....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
る気になって、飛びあがって、翻筋斗をして、後脚でくるくる廻って見せた。それも中々手際よくは出来ない。 レリヤはそれを見て吹き出して、「お母あさんも皆も御覧よ。....
黒百合」より 著者:泉鏡花
か、そんなどじなこたあしやしないよ。」 「いかがですか、こないだ店前へ突出したお手際では怪しいもんだよ。多勢居る処じゃあないかね。」 「誰がまた姉や、お前だと思....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
「逆縁ながら、といっては間違いかね、手を曳いてあげようか。芝居茶屋の階子段のお手際では、この石段は覚束ない。」 などと、木菟が生意気にいうと、 「大事おへん....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
あります。特に、日本独立後国連軍を無協定のまま日本に駐屯せしめておるその外交の不手際を、断固糾弾しなければならぬと思うのであります。 また、国際情勢を見れば、....