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「手鞠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手鞠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雛がたり」より 著者:泉鏡花
李も一斉に開いて、女たちの眉、唇、裾八口の色も皆花のように、はらりと咲く。羽子も手鞠もこの頃から。で、追羽子の音、手鞠の音、唄の声々。 ……ついて落いて、裁形、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
とを見ている。周囲には、小娘のお粂も母親のお民に連れられて馬籠の方から来ていて、手鞠の遊びなぞに余念もない。おばあさんはおばあさんで、すこしもじっとしていられな....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
ある。(昭和六年一月、渋柿) 先夜はごちそうありがとう。 あの時、床の間に小手鞠の花が活かっていたが、今日ある知人の細君が来て、おみやげに同じ小でまりとカー....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
る出しにして呻き、なおもその、花盛りの梨の木の下でその弟とも見える上品な男の子と手鞠をついて遊んでいる若い娘の姿に、阿呆の如く口をあいて見とれていた。翌る日、髭....
天守物語」より 著者:泉鏡花
入りのよう、舌長姥、取次がっせえ。 階子の上より、真先に、切禿の女童、うつくしき手鞠を両袖に捧げて出づ。 亀姫、振袖、裲襠、文金の高髷、扇子を手にす。また女童、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
時代の駆落めく。 「何か、お前が出会した――黒門に逗留してござらしゃる少え人が、手鞠を拾ったちゅうはどこらだっけえ。」 「直きだ、そうれ、お前が行く先に、猫柳が....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、よく、この信州路、木曾街道の山家には、暗い軒に、糸で編んで、ぶら下げて、美しい手鞠が縺れたように売ってるやつだて。それが、お前さん、火事騒ぎに散らかったんで―....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
っこのところまで行ってまた逆戻りをしたり、溝《みぞ》の中に柿の種子が落ちていたり手鞠《てまり》がころげ込んだりしているのを見たりなんぞして、行きつ戻りつしている....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
どい目に逢わせてやるよ。」 「厭だ。」 「それじゃ、まあお坐んなさい。そしてまた手鞠歌を唄ってお聞かせな。あの後が覚えたいからさ。何というんだっけね。……二両で....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
くれ。」 と妙に甘ったれた調子《アクセント》で太い声を出した。 みんなが羽根や手鞠《てまり》をついていると、 「わたいも、つこ。」 と仲間になる。 「さあ、あ....
ゴルフ随行記」より 著者:寺田寅彦
、室内用にはピンポン、ビリアードそれから例のコリントゲームまである。日本の昔でも手鞠や打毬や蹴鞠はかなり古いものらしい。 人間ばかりかと思うと、猫などが喜んで....
京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
このような筋を意味する所作が、檜の舞台につづけられて行ったのでございます。私は、手鞠の振りから、花笠――それから、手習い、鈴、太鼓……と、呼吸もつがせぬ名人芸に....
」より 著者:上村松園
ン、天保山、いびし、浦島、猫の耳、しぶのう、かせ兵庫、うしろ勝山、大吉、ねじ梅、手鞠、数奇屋、思いづき、とんとん、錦祥女、チャンポン、ひっこき、稲本髷、いぼじり....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
添えた蔓の藤豆、小さな西瓜、紫の茄子。色がいいから紅茸などと、二房一組――色糸の手鞠さえ随分糸の乱れたのに、就中、蒼然と古色を帯びて、しかも精巧目を驚かすのがあ....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
し、黒檜の若木が石楠のように頑強な枝を張って、嵩にかかって押し通ろうとする私達を手鞠のように跳ね返す、笹が思い切って深くなる、其中をおずおず下って行くと、前面の....