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手飼い
「手飼い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手飼いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
人不犯の霊地を荒さば、そのままにはさしおきませぬぞッ」 「またそれか、スリの女を
手飼いに致す五万石の寺格がどこにあろうぞ。秘密はみな挙ったわッ。どうじゃ売僧! ....
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
には全く変な商売があるぞ」 「笑談じゃない。なにをとぼけたこと言うちょりますか!
手飼いの衛兵は、少ないと言うても三十人はおります。腕はともかく鉄砲という飛道具が....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のないのをよいことにして近所の猫がそこに入り込んで来ている。ひところは姑おまんの
手飼いの白でも慕って来るかして、人の赤児のように啼く近所の三毛や黒のなき声がうる....
「道標」より 著者:宮本百合子
能、その条件が獲得されたというだけなんです。しかも、その条件たるや、どうして、お
手飼いの狆《ちん》ころみたいに、一旦獲得されたからって、その階級の手の上にじっと....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
しき身のなりゆきと今はじめて思い当って青く窶れた顔を見合せて溜息をつき、お蘭は、
手飼いの猿の吉兵衛の背を撫でながら、やたらに鼻をすすり上げた。この吉兵衛という名....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
。ビークン丘とビーチェン崖の近所に住める二人の有名な養鶏家あって、酒店で出会い、
手飼いの鶏の強き自慢を争うた後、当日がグード・フライデイの佳節に当れるを幸い、そ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ょいひょいと手踊り雀、電信柱に下向きの傾り燕、一羽気まぐれに浮いた鴎が、どこかの
手飼いの鶯交りに、音を捕うる人心を、はッと同音に笑いでもする気勢。 春たけて、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れば無限に生産のできる品なのだ。現に自分の故郷の甲州なんぞでも、山畑の隅々までも
手飼いの蚕のために桑を植えてある。いかなる賤《しず》の女《め》も、養蚕の方法と、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
郎に向って、真先に板囲いの中から跳《おど》り出して斬ってかかったのは、元の伊東が
手飼いの馬丁《べっとう》。 「隊長、済まねえが、わっしに首をおくんなさい」 「貴....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てしまいました。 事実、この二人の者の身上で、一羽の鳥とはいえ禽類の王者の子を
手飼いにしようとは、分に過ぎた扶持方《ふちかた》だと、この時、はじめて観念せざる....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
こしたのだとばっかり思っているから、
「ナニ、源三郎が金魚を……何か、司馬先生お
手飼いの珍奇な金魚に、源三郎めが失礼でも働いたというのかっ?」
「違いまする、違....
「山の手の子」より 著者:水上滝太郎
ない心持が、水のように湧《わ》き出して私は物の哀れを知り初めるという少年のころに
手飼いの金糸雀《かなりや》の籠《かご》の戸をあけて折からの秋の底までも藍《あい》....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
こに、意外なことが出来《しゅったい》したというのは、ほかでもない。お上がかねてお
手飼いなされ、ことのほか御寵愛なされた『瑞陽《ずいよう》』ともうす丹頂の鶴。……....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
りしゃんと立ち直り、また元どおりの水も滴たらんばかりの若い衆ぶり――いや、いっそ
手飼いの鷹とでもいいたいほどの英姿を、カテリーナ・リヴォーヴナの身辺にあらわしは....
「三国志」より 著者:吉川英治
葉であります。官は下※の丞ですが、このたび王軍、黄巾の賊徒を諸州に討つと承って、
手飼いの兵千五百を率い、いささか年来の恩沢にむくゆべく、官軍のお味方たらんとして....