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手首
「手首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手首の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
かま》で、久留米《くるめ》らしい絣《かすり》の袷《あわせ》、白い襯衣《しゃつ》を
手首で留めた、肥った腕の、肩の辺《あたり》まで捲手《まくりで》で何とも以《もっ》....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。 直ぐに御歩行かと思うと、まだそれから両手へ手袋を嵌めたが、念入りに片手ずつ
手首へぐっと扱いた時、襦袢の裏の紅いのがチラリと翻る。 年紀のほどを心づもりに....
「海異記」より 著者:泉鏡花
出っくわした、奴は幸福よ、と吐くだあね。 おらあ、それを聞くと、艪づかを握った
手首から、寒くなったあ。」 「……まあ、厭じゃないかね、それでベソを掻いたんだね....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
美女、手を曳かる。ともに床に上る。公子剣を軽く取る。)終生を盟おう。手を出せ。(
手首を取って刃を腕に引く、一線の紅血、玉盞に滴る。公子返す切尖に自から腕を引く、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。 これは、と驚くと、仔細ござります。水を一口、と云う舌も硬ばり、唇は土気色。
手首も冷たく只戦きに戦くので、ともかく座敷へ連れよう……何しろ危いから、こういう....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
滅相な。」と帳場を背負って、立塞がる体に腰を掛けた。いや、この時まで、紺の鯉口に
手首を縮めて、案山子のごとく立ったりける。 「はははは、お言葉には及びません、饂....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
、踏台が一つに乗せてあるのを下へおろした。 「いや、俺たちは、」 若い紳士は、
手首白いのを挙げて、払い退けそうにした。が、美しい女が、意を得たという晴やかな顔....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の雫の干ない足袋は、ぬれ草鞋のように脱いだから、素足の冷たさ。実は、フランネルの
手首までの襯衣は着て出たが、洗濯をしないから、仇汚れて、且つその……言い憎いけれ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
俺のモーニングも、……それから、彼はぽかんとして、シイカがいつもハンケチを、左の
手首のところに巻きつけていることを考えていた。 今日はホテルで会う約束だった。....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
手を当てると冷かった、光が隠れて、掌に包まれたのは襟飾の小さな宝石、時に別に
手首を伝い、雪のカウスに、ちらちらと樹の間から射す月の影、露の溢れたかと輝いたの....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
た声でそう云うとね、ぶんと頭へ響いたんです。 そして、すいたらしいッてね、私の
手首を熟と握って、真黄色な、平たい、小さな顔を振上げて、じろじろと見詰めたの。 ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
「あれ、」といって振返された手を押えた。指の間には紅一滴、見る見る長くなって、
手首へ掛けて糸を引いて血が流れた。 「姉さん、」 「どうなすった。」 押魂消た....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
る。 見えるのは眼だトまたふるえた。 ふるえながら、そっと、大事に、内証で、
手首をすくめて、自分の身体を見ようと思って、左右へ袖をひらいた時、もう、思わずキ....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、いやらしいイラクサのなかをさぐりました。草は火のようにあつく、エリーザの腕をも
手首をも、やけどするほどひどく刺しました。けれどもそれでおにいさまたちをすくうこ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、細い塔婆が倒れそうです。白い手がその杖にかかると、川の方へぐいと曳き、痩法師の
手首を取った救の情に、足は抜けた。が、御坊はもう腰を切って、踏立てない。……魔の....