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才女
「才女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
才女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古典風」より 著者:太宰治
時の唇薄き群臣どもは、この事実を以《もっ》て、アグリパイナの類《たぐい》まれなる
才女たる証左となし、いよいよ、やんやの喝采《かっさい》を惜しまなかった。 アグ....
「富士」より 著者:岡本かの子
でもそうであった。 夫妻は睦《むつまじ》くて仲が良い。良人を引廻し気味に見える
才女の姉女房も、良人を立てるところには立派に立てた。岳神の家としての事務の経営は....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の言い振りとを併せて考えると、師道の胸には一種の興味が湧いてきた。世にかくれたる
才女が突然ここに現われて来て、自分を驚かすのではないかとも思われた。彼はじっと眼....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
シバの女王は美人ではなかった。のみならず彼よりも年をとっていた。しかし珍しい
才女だった。ソロモンはかの女と問答をするたびに彼の心の飛躍するのを感じた。それは....
「階段」より 著者:海野十三
×大を昨年出られた……」と四宮理学士が註を加えた。僕はその名を知っていた。あの天
才女理学士が、こんなに若い女性で、しかもこの研究所に居て洋服はおろか袴もつけてい....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ますね。」 「先生には娘さんがたった一人ある。この人がまた怜悧な人で、中津川でも
才女と言われた評判な娘さんさ。そこへ養子に来たのが、今医者をしている宮川さんだ。....
「水仙」より 著者:太宰治
った。つくづく、馬鹿な夫婦だと思って、呆れた。 それから三日目だったか、わが天
才女史は絵具箱をひっさげて、僕の陋屋に出現した。菜葉服のような粗末な洋服を着てい....
「連環記」より 著者:幸田露伴
が雲辺の禽の影、暫時のほどしか心には留まらなかったのであったろう。如何に歌人でも
才女でも、常識の円満に発達した、中々しっかり者の赤染右衛門でもが、高が従兄弟の妻....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
念ほゆるかも」(巻四・五九四)というのもあり、極めて流暢に歌いあげている。相当の
才女であるが、この時代になると、歌としての修練が既に必要になって来ているから、藤....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
きている。しかしこれとてもやはり、伝説化せられたものに過ぎなかったのである。佳人
才女の事蹟を伝えたのは、その女性自身の作と伝えながら、実は語部の叙事詩それ自身が....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
女房の部屋へとんで行った。 彼の女房は安井と云って、信長が大変目をかけてくれる
才女だ。女房のおかげで、亭主の方も信長の覚えがめでたいようなことでもあるから、コ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
さなキセルを出して煙草を吸うていた。この伯母は私の父に似て骨細で、華奢な、美しい
才女であった。 と目の前の廊下を通りかかったのは彼の娘であった。 「おや、お鶴....
「露の答」より 著者:坂口安吾
女中です。先夫人の死去と共に、いつとなく後妻のような位置に坐り、美人でもなければ
才女でもないのですが、加茂家を切廻す権勢は大したものです。意地ッ張りで右と言った....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
菅公が君を怨まぬと同じく、名誉なりと思はば思はるべく候。おきみさんもおのれほどの
才女のおしめを洗ふは、仏教に篤き光明子がかたゐの垢をかきしと同じく名誉なりとも思....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
なかなかに奥ゆかしゅう見ゆるであろうと存じて……。それにつけてもお身もあっぱれの
才女じゃ。武蔵守殿は武勇一遍の人じゃと思うていたに、息女に対する日ごろの仕付け方....