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「才物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

才物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
多曖《たわい》もない雑談を交換しながら、巻煙草をふかせている間でさえ、彼が相当な才物《さいぶつ》だと云う事はすぐに私にもわかりました。が、何も才物だからと云って....
グッド・バイ」より 著者:太宰治
》の手伝いをして、一挙に数十万は楽にもうけるという、いわば目から鼻に抜けるほどの才物であった。 キヌ子にさんざんムダ使いされて、黙って海容《かいよう》の美徳を....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ら、これを亡いものにせんけりアなりません。 十八 老女も中々の才物ではございますが、女だけに遂に大藏の弁舌に説附けられました。此の説附けました....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
自ら好んで任ぜられた。そうして、その代りに村上質氏が入って来た。この人はなかなか才物で軍政上や武蔵氏の応接等も巧くやっていたようである。これらは多く明治四年の事....
旧作」より 著者:上村松園
いられました。 近習のひとりの某が言いました。 「何々殿の息子の某はなかなかの才物で、年が若いに似ず四十歳くらいの才覚をもっている。あれは将来恐るべき仁になる....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
れた日々の仕事につとめて来たことが今日あるを得たものと思っている。世の中にあんな才物がどうして成功しないかと不思議に思われるような人物をしばしば見受けるが、どう....
桜の園」より 著者:神西清
だめし女の子が、夢中になって惚れこむだろうさ。ブルルル! (行きかける)才子とか才物とかいった手合いは、みんなこうしたお馬鹿さんばかりさ。話相手なんか誰もいやし....
南国太平記」より 著者:直木三十五
図するまで、手出しはならぬ」 「益満は、何うしておりましょう」 「あれも、一代の才物じゃが、世上の物事は、そうそうあれの考え通りに行くものでもない。日取りからい....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
、後には大久保の苗字を賜わり、大久保|石見守長安とまで出世したのじゃが、それ程の才物ゆえ、邪智にも長けていて、私かに佐渡吹きの黄金を隠し置き、御役御免になっても....
書記官」より 著者:川上眉山
ば、訪われたるあとよりすぐに訪い返して、ひたすらになお睦まじからんことを願えり。才物だ。なかなかの才物だとしきりに誉め称やし、あの高ぶらぬところがどうも豪い。談....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
が、今日計らずもその仮面を脱ぎかけた処からサッするに、明察果断しかも気鋒俊英の大才物だ。なかなか普通の人間では無さそうだ。はて何者だろうか……プラスビイユはブル....
贋物」より 著者:葛西善蔵
ずがない。田舎へ帰ってきたのは当然の径路というもんだろう。よくもまあ永い間、若い才物者|揃いの独身者の間に交って、惨めなばかを晒していられたものだ……」 彼は....
五重塔」より 著者:幸田露伴
云うて見よ、次第によりては我が取り計ろうてやる、とさもさも万事心得た用人めかせる才物ぶり。それを無頓着の男の質朴にも突き放して、いえ、ありがとうはござりますれど....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
った。それは他でもない、兄のことである。 春樹は風采も立派、学校の成積も良く、才物であったが、どういうものか、幼少の頃から盗癖があった。が、彼に云わせるとこう....
情鬼」より 著者:大倉燁子
お思いになりまして?」 S夫人とは違って私は直接小田切大使を知っていた。豪気な才物だが、また一面には情にもろい、涙のある優しい人だった。おまけに亡き夫人とは思....