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「才色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

才色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
だんだんに言い慣わされて、あるじの忠通すらも今では彼女を玉藻と呼ぶようになった。才色たぐいなきこの乙女を自分の屋形にたくわえてあるということが、あるじの一種の誇....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
奥宮戸のあたりからゆらりゆらりと流してきた一艘は、これぞ今宵《こよい》のぴか一、才色兼ね備わっているところから、式部小町と評判されたあで人|琴女《ことめ》が座用....
愛卿伝」より 著者:田中貢太郎
趙という富豪の才子があって、父親が亡くなったので母親と二人で暮していたが、愛卿の才色を慕うのあまり、聘物を惜まずに迎えて夫人とした。 趙家の人となった愛卿は、....
」より 著者:太宰治
ぐらし、ついにギリシャの女詩人、サフォに黄金の矢を放った。あわれ、そのかぐわしき才色を今に語り継がれているサフォこそ、この男のもやもやした胸をときめかす唯一の女....
からすうりの花と蛾」より 著者:寺田寅彦
る。今から三十五年の昔のことであるがある田舎の退役軍人の家でだいじの一人むすこに才色兼備の嫁をもらった。ところが、その家の庭に咲き誇った夕顔をせせりに来る蛾の群....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
高い一人であった。彼女は昔時《いにしえ》の太夫職《たゆうしょく》の誇りをとどめた才色兼美の女で、廃藩置県のころの諸侯を呼びよせたものである。山内容堂《やまのうち....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ずねてごらんなさい」 というのがありました。 玉蕉女史――とは何者? それは才色兼備の婦人で、ことに漢詩をよくし、書をよくし、画を見ることを知り、客を愛し、....
紫大納言」より 著者:坂口安吾
七世紀のことだから、この物語に比べれば、そう遠くもない昔である。スキュデリという才色一代を風靡した佳人があった。粋一念の恋人たちも、ちかごろの物騒さでは、各の佳....
烏瓜の花と蛾」より 著者:寺田寅彦
である。今から三十五年の昔のことであるが或る田舎の退役軍人の家で大事の一人息子に才色兼備の嫁を貰った。ところが、その家の庭に咲き誇った夕顔をせせりに来る蛾の群が....
九条武子」より 著者:長谷川時雨
蒙昧《もうまい》な親に、売られてゆく、あわれな娘ならば知らず、一万円持参で、あの才色絶美、京都では、本願寺からはなすのはいやだと騒がれた美女《ひと》なのに―― ....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
娘を東京へ出して、思うままに修業をさせたら――それこそ小野の小町などは、明治の、才色兼備の娘に名誉を譲るだろう。 そう思う母人《ははびと》の生れ育った時代は、....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
ている「窮行女学院」の校長の望月貞子というのは宮内省では飛ぶ鳥も落すような勢力、才色兼備の女官として、また華族女学校の学監として、白雲遠き境までもその名を知らぬ....
四十年前」より 著者:内田魯庵
も若い学生がしばしば出入した。学生の倶楽部や青年の会合には必ず女学生が出席して、才色あるものが女王の位置を占めていた。が、子女の父兄は教師も学校も許す以上はこれ....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
いるというわけだ。おまけに、あいつの後妻ときたら、君も今さっきごらんのとおりの、才色兼備の女性だが、その女までが、すでに老境に入ったあいつの嫁になって、あったら....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
を聞いて鎌倉に家を借りて同棲《どうせい》したような次第であった。勿論人の妻として才色|両《ふた》つながら非の打ちどころのない事は能《よ》く承知しているが、その後....