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打ち上げる
「打ち上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打ち上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
自然の状態に戻ろうとする、途端《とたん》に一度引いた浪《なみ》がまた磯《いそ》へ
打ち上げるような勢で、収縮感が猛烈にぶり返《かえ》してくる。すると彼の意志はその....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
では不可能なことであった。 万寿丸|甲板部《かんぱんぶ》の水夫たちは、デッキに
打ち上げる、ダイナマイトのような威力を持った波浪の飛沫《ひまつ》と戦って、甲板を....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
見えて来ました。その火の柱の美しい事。まるで千も万もの花火を一時に連《つづ》けて
打ち上げるようで、紅《あか》や青や黄色やその他|種々《いろいろ》の火花が散り乱れ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
に五倍にも十倍にもなった。今までの人数の二倍も乗っているように船は動いた。岸から
打ち上げる目標の烽火が紫だって暗黒な空の中でぱっ々として火花を散らしながら闇の中....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
か、一ぽん女の毛が纏わりついたと見える鍛《きた》え疵《きず》。 阿波の右近三郎
打ち上げるところの女髪兼安。 ゆうべ出がけに此刀《これ》を渡すとき、法外先生が....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
なに寝てばかりいないで、早く眼を覚まさんか。お上のお免しを得るには、御注文の品を
打ち上げるより外にはないということが、お前には分らんか。」 「寝る、寝るといわれ....
「雨」より 著者:織田作之助
この少年は私の反撥心を憎悪に進む一歩手前で喰い止めるために、しばしば可愛い花火を
打ち上げると思った。なお、この少年は私を愛していると己惚れた。それをこの少年から....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
すね。主として直径一寸ぐらい、時に直径一尺位の火山弾もうちあげているそうですが、
打ち上げる高さはせいぜい二三百米にすぎず、内輪山の火口壁周辺にころがり落ちる程度....
「浅瀬に洗う女」より 著者:マクラウドフィオナ
しく橈《かい》をあちこちに動かして船について来る死体を切り離した。いま、岩の上に
打ち上げる波の音は声たかく聞えた。 太陽の最後の火がトオカルの頸《くび》に燃え....