打ち廻る[語句情報] »
打ち廻る
「打ち廻る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打ち廻るの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「競馬」より 著者:織田作之助
な手つきをしながら、唇《くちびる》を突き出し、ポロポロ涙《なみだ》を流して、のた
打ち廻るのだ。世の中にこんな苦痛があったのかと、寺田もともにポロポロ涙を流して、....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
そうな、たまらぬ嫌悪を覚えた。役者は、いやだ! ほんの一瞬間の事であったが、のた
打ち廻るほど苦しかった。いっそ発狂したい、と思っているうちに、その苦しみが、ふう....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
》なりけり。 『火屋《ひや》でもいいからもう一杯』のサゲの前、炎々たる火焔にのた
打ち廻る願人坊主を、それ、物の怪が憑きにけるぞとて、棒押っ取りて打ち叩く火夫の姿....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
が一人で足りなくて、外にもあると云うのは。何事をも永遠に免すものの目の前で、のた
打ち廻るような必死の苦痛を、最初たった一人が受けたなら、その外の一切の人間の罪は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
うな。 いや、それも当らない。高氏のいまは、われから火山の火口にとび入ってのた
打ち廻る気力もない地底の亡者の影に似ていた。もちろん酔いもどこかへ費消され尽して....