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打ち明ける
「打ち明ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打ち明けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
「それは含芳と言う人だよ」
僕は譚の顔を見ると、なぜか彼にはおとといのことを
打ち明ける心もちを失ってしまった。
「この人の言葉は綺麗《きれい》だね。Rの音な....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
めに、それを断行する勇気がありません。そこで達雄に愛されていることをすっかり夫に
打ち明けるのです。もっとも夫を苦しめないように、彼女も達雄を愛していることだけは....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
一新蔵の身の上に、取り返しのつかない事でも起っては大変と、とうとう男に一部始終を
打ち明ける気になったのです。が、それも新蔵が委細を聞いた後になって、そう云う恐し....
「或る女」より 著者:有島武郎
、きょうの午後に。ところが検疫医がこれなんだ」
事務長は朋輩《ほうばい》にでも
打ち明けるように、大きな食指を鍵形《かぎがた》にまげて、たぐるような格好をして見....
「或る女」より 著者:有島武郎
もその気ではいるのだけれども、病気ではしかたがないでしょう。それに恥ずかしい事を
打ち明けるようだけれども、木村さんにもわたしにも有り余るようなお金がないものだか....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
たか」と、播磨守泰親は若い弟子に訊いた。 千枝太郎は彼女に出逢ったことを正直に
打ち明けると、泰親の眉はまた皺められた。 「くどうも言うようじゃが、心《こころ》....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
体の)衝動によってその少女を欲するなら、あなたは先ずその少女にあなたの切ない愛を
打ち明けるだろう。そして少女が若しあなたの愛に酬いるならば、その時あなたはその少....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ら、なぜ娘さんにその気持ちの径路を早く行って聞かさないで、こんな処で私一人に今更
打ち明けるのですか」 「ははあ。」といって男は瞑目していたが、やがて尤もという様....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
ていても、登志子の考えはきまらなかった。日数は遠慮なくたって、とうとうN先生にも
打ち明ける機会は失くなってしまった。最後に大混雑の中にようやく仕方なしに漠然と極....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
かに罹かったのであろうと言うと、彼は悩ましげに見えたそうです。 わたしは事実を
打ち明けることに決めて、翌日の早朝に友達をたずねて行くと、彼はきのうの夕に外出し....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
中から自動車を帰して二人がこんなところへはいり込んだのだという。小鉄もその事情を
打ち明けるのを憚って、なにかあいまいなことを言っているので、相手の方ではいよいよ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ほんとうに死んだのではないかもしれない。あるいは自分をこの城内に連れ出して、恋を
打ち明ける目的のために、わざと死んだふりをしているのではないかとも思いました。ま....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しばらくわたしは今いるところに滞在して、医師にあからさまに反対して、自分の秘密を
打ち明けることに決心した。諸君は、おのずと私の病気の性質を精確に理解するとともに....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
に今夜の成り行きを話した。塩冶の一家の危急を救おうとして、その密告に赴いたことを
打ち明けると、兄も幾たびかうなずきながら、思わず会心の笑みを洩らした。 「おお、....
「芸術三昧即信仰」より 著者:上村松園
て起き出られた禅師をお待ちしました。そして凡そ二時間余り別にこれと言ってなやみを
打ち明けるでもなく禅師の法話をお聴きしているうちに、すーと雲が引くようになごやか....