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打ち解け
「打ち解け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打ち解けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢」より 著者:芥川竜之介
たまま、捗《はか》どらない制作をつづけていた。が、わたしたちの心もちは少しも互に
打ち解けなかった。いや、むしろわたし自身には彼女の威圧を受けている感じの次第に強....
「或る女」より 著者:有島武郎
い青年だったけれども、葉子はわずかなタクトですぐ隔てを取り去ってしまった。そして
打ち解けて見ると彼は上品な、どこまでも純粋な、そして慧《さ》かしい青年だった。若....
「或る女」より 著者:有島武郎
いうのもなんだけれども、なんですねえそのおじぎのしかたは、他人行儀らしい。もっと
打ち解けてくれたっていいじゃないの」
というと愛子は当惑したように黙ったまま目....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
いと言った。その偽らない、誇りげのない態度が、いよいよ忠通の心をひいた。彼は更に
打ち解けて言った。 「なにびとも詠み悩んだ独り寝の別れの難題を、よう仕まつった者....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
を通ったから立寄ることにした。一体私自身は性質として初めて会った人に対しては余り
打ち解け得ない、初めての人には二、三十分以上はとても話していられない性分である。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、もう一つは口やかましい阿母さんがいなくなったと云うのが動機になって、以前よりは
打ち解けて附き合おうとする人も出来たが、なぜかそれも長くつづかなかった。三月半年....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
た。 これほどの親しい間柄であるにもかかわらず、ベアトリーチェの態度には、なお
打ち解けがたい点があった。彼女はいつも行儀のいい態度をとっているので、それを破ろ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
それを読んでいるのではないらしかった。その顔色から察しると、彼女は僕に対してやや
打ち解けてきたらしい。彼女も僕が考えるとおなじように自分の叔父を見ていて、それが....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
た。でも、その後、彼女は気持よく晴れた空気の中で、すがすがしい緑樹の蔭で、時には
打ち解けてワルトンを懐かしそうに見えた。夢遊病者のように幽幻に彼女が振舞うのにワ....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
いかと気が咎めた。すると青年は顔を緊張させて 「あなたが始めて僕に本当の気持ちで
打ち解けたことを仰った――ははは」 と痛快げに笑った。 社殿へ参詣して再び池....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
郎は大勢の親分と立てられている人だけに、人間もなかなか如才ないらしく、初対面から
打ち解けていろいろの話を仕掛けますけれども、こっちは針の筵に坐っているのですから....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
られたのではござらぬかな。」 見掛けによらない口軽の坊さまと、女の方でも少しく
打ち解けて語り出した。 「初対面の御坊の前で、まず我が身の身分苗字を名乗りませい....
「越年」より 著者:岡本かの子
を叩きあった堂島と、このまま別れてしまうのは少し無慙な思いがあった。一度、会って
打ち解けられたら……。 加奈江は堂島の手紙を明子たちに見せなかった。家に帰ると....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
ましたが、なるほどあとで考えれば、相手に嫌われてるのではないかと、まだ相手は心に
打ち解けられないものを持っているのではあるまいかなど、随分疑ってもよい、良人の仕....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
ではまた何も知らないで、ほんとの叔父様だと思うものですから、気をゆるしていろいろ
打ち解けて話していたそうですの、そのうちにふと叔父様の頭に、二十何年前の自分と同....