»
打ち返
「打ち返〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打ち返の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
充ち満ちていた。それは誰か麦の間を歩いている音としか思われなかった、しかし事実は
打ち返された土の下にある霜柱のおのずから崩《くず》れる音らしかった。
その内に....
「百合」より 著者:芥川竜之介
ぴしゃり左の横鬢《よこびん》を打たれた。が、打たれたと思った時にはもうまた相手を
打ち返していた。
「生意気《なまいき》!」
顔色を変えた金三は力一ぱい彼を突き....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の人民をいれている。街はみな山の重なるような高低の家屋が建ち、路はおのずから波の
打ち返すように人が去来する。地下鉄の車中は夜も昼かと思うほど明るく、水晶宮の中は....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
して来たことをセントー・ハヤオに物語りました。相手は大変嬉しいという意味の符号を
打ち返して来ました。何か変ったことでもあるかと僕は彼に訊ねました。彼は早速報告し....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
旦は思い切りよく諦めた。ところが、八橋の方ではそう素直に諦めさせなかった。すぐに
打ち返してお光に宛てた手紙をよこした。お光ばかりでなく、栄之丞にも三日にあげずに....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
でくりかえした。 それがあまりに長く続かないうちに、彼女は顔を蒼くしたが、波が
打ち返すように今度は顔をあからめて、手をもって顔をかくした。彼は魔法をさらに強く....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
手はこの玉藻でござりましょう」 彼女の声は凜として河原にひびいた。泰親はすぐに
打ち返して言った。 「それを御存じならば、なぜこの壇にうしろを見せらるるぞ。泰親....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いことであった。 「あのお武家が、これを売りに来たんですかえ」と、半七は鮫の皮を
打ち返して見た。 「長崎の方で買ったんだそうで、相当の値段に引き取ってくれという....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は落葉を踏みわけて、五人の墓の卒堵婆を一々見てあるいた。中にはそれを引きぬいて、
打ち返してじっと眺めているのもあった。かれは草履の爪さきでうず高い落葉を蹴散らし....
「指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
なんです。お見せなさい。」 西田さんは手をのばして指輪をうけ取って、燈火の下で
打ち返して眺めていましたが、急に顔の色が変りました。 「これは風呂場で拾ったんで....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
者の眼を暗がりで見て、小さな眼鏡に間違えたとか云う話がございましたわね」と皮肉に
打ち返したが、しばらく記憶を摸索するような態度を続けてから云った。
「とにかく、....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
すようじゃおしまいだね」 余は、安全区域に出ると、さっそく勝報を送ったが、すぐ
打ち返してきた返電を見ると、唖然とした。 ――貴官は目下、海軍高等審判に附され....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
一筋の血糊が、すうっと糸を引いて落ちた――ああ儀右衛門もか。 しかし、血を血で
打ち返す極悪伊右衛門の再生こそ、真実里虹にほかならないであろう。まことに彼は、首は飛んでも、動いて見せたのであるから。....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
は何の手懸にもなりそうにありません。」と判事はいった。 ボートルレはその紙片を
打ち返し
打ち返し眺めた。それには次のような記号と点が紙一面に記してあった。 判....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
、心からおどろいたらしかった。彼は玄白の差し出した本を取り上げながら、表紙や扉を
打ち返して見た。 「これは紛れもなく同本じゃ。不思議な奇遇でござる。奇遇でござる....