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打出
「打出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
島には宝物があるのですか?」
「あるどころではない。何でも好きなものの振り出せる
打出《うちで》の小槌《こづち》という宝物さえある。」
「ではその
打出の小槌から、....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
ぞやわたしが捉《とら》え損じた時にも、やはりこの紺《こん》の水干《すいかん》に、
打出《うちだ》しの太刀《たち》を佩《は》いて居りました。ただ今はそのほかにも御覧....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
じらしく見えた。彼はきっと来ると約束して別れた。 橋の袂へ来ると、芝居小屋では
打出しの太鼓がきこえた。早く閉まった観世物小屋では、表の幟を取り卸しているのもあ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
》のある、ちょっと世辞のいい婆《ばあ》さん、件《くだん》の人参と干瓢の話を旅僧が
打出すと、にこにこ笑いながら、縮緬雑魚《ちりめんざこ》と、鰈《かれい》の干物《ひ....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
というのは―― (指令本第一九九七八号) (一)QX30ハ間諜座内ニ其儘止リテ、
打出シト共ニ群衆ニ紛レテ脱出セヨ。 (二)右ノ報告ヲ本日午後十時マデニ報告シ得ザ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
にしっかり捉えられている。ものすごく地上砲火が呻り出す。永い間ためてあった砲弾を
打出すといったような感じである。 月のある夜空を、火災の煙が高く高くのぼって行....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
「うむ、大したものだ。これを真似て、早速百隻の不沈軍艦をつくれば、日本海軍に太刀
打出来ないこともあるまい」 「どうだ、気に入ったかね、ルーズ君」 「いや、大気に....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
も、お米が身に関する故をもって、むしろ情において激せざるを得なかったから、言下に
打出して事理を決する答をば、与え得ないで、 「都を少しでも放れると、怪しからん話....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
俯伏になった。 「どうしたならどうしたと聞くさ、容体はどうです目が見えないか、と
打出して言えば可い。何だって、人を試みるようなことをして困らせるんだい、見えない....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ね」と、小柳は煙草入れを取り出してしずかに一服すった。 隣りのおででこ芝居では
打出しの太鼓がきこえた。ほかの芸人たちも一種の不安に襲われたらしく、息を殺して遠....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ここでは坊ちゃんは海表の世界から縁あって、鶴見に授けられたものとする。坊ちゃんは
打出の小槌を持って来る。そして無心で、いろいろの宝を、その小槌から
打出しては、そ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、鏨は自由だから、蔓も、葉も、あるいは花もこれに添う。玉の露も鏤む。 いずれも
打出しもので、中はつぎのないくりぬきを、表の金質に好配して、黄金また銀の薄金を覆....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
から能く知らないが、この盛綱は千秋楽の日まで満足には演了されないで、いつも中途で
打出しになったという噂であった。したがって、盛綱の方は観客に十分認められず、十次....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
かった。 けれども、彼女も若い娘である。流石に胸一杯の嫉妬と怨恨とを明白地には
打出し兼ねて、先ず遠廻しに市郎を責めているのである。自分が折角見舞に来た※の問題....
「活人形」より 著者:泉鏡花
一頭、泰助の姿を見て、凄まじく吠え出せり。 南無三、同時に轟然一発、頭を覗って
打出す短銃。 幸い狙いは外れたれど泰助はやや狼狽して、内より門を開けんとすれば....