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打手
「打手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打手の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
強《し》いるのも厭《いや》ですから、私はとうとう一人で碁石を取り上げて、黒と白を
打手違《うつてちがい》に、盤の上に並べ始めました。兄さんは少しの間それを見ていま....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
《はい》ろうというのである。若《も》し彼方に於てあらかじめ大力|手利《てきき》の
打手を用意し、押取籠《おっとりこ》めて打ってかからんには誰か防ぎ得よう。主人若し....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
やつはだいじょうぶだよ」と手塚はいった。 「そうじゃない、もしひとりでも傑出した
打手があってホームランを三本打てば三点とられるからね、勝負はそのときの拍子だ、強....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
った歌二首中の一首で、「※手折」をウチタヲリと訓むにつき未だ精確な考証はない。「
打手折撓む」という意から、同音の、「多武」に続けた。多武峰は高市郡にある、今の塔....
「雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
立っている。その傍に花火を入れた箱があって、助手がそこから順々に花火の玉を出して
打手に渡す。 始めに小さな包のようなものを筒口へ投り込んで、すぐその上へ銀色を....
「本困坊・呉清源十番碁観戦記」より 著者:坂口安吾
に現れる。前田山、先般、月刊読売誌上に、呉氏に八子で対戦、敗北したが、角界随一の
打手の由である。 とたんに、呉氏、キッと目をあげて、 「双葉関は、どうしていま....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
芸にあらず、実力五段充分と諸国の碁打に折紙づきの評判が二十年もつづいて、各家元の
打手をのぞいて、田舎棋士の筆頭に押されている達人であった。しかし甚八は怖れない。....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
うしたのさ?」 するとトン公は近寄って来、 「よく拍子木が解ったな」 「お前の
打手を忘れるものかよ」 「実は急に逢いたくってな、それで呼び出しをしたやつさ」 ....
「吊籠と月光と」より 著者:牧野信一
われて固唾《かたず》をのんだ。僕は、振りあげられた槌《つち》が、打ち下され、更に
打手の頭上に構えられた時分に、打たれた音がこっちの耳に響いて来るほどの距離である....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
を両方より取りて、両方へ下知をなす。彼等が方人の夷等合戦をす。是によりて関東より
打手を度々下す。多くの軍勢亡ひけれども、年を重ねて事行ぬ。 とある東夷または夷は....