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打揚げ
「打揚げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打揚げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死までを語る」より 著者:直木三十五
ら、常右衛門が、反対側から、煙火見物の橋上へ、同時に現れて、挨拶をし、それから、
打揚げにかかったのだと、よく父が語っていた。 この常右衛門が、私の父の父で、私....
「惜別」より 著者:太宰治
いて大|篝火を焚き、五日は仙台市の祝勝日で、この朝、十時、愛宕山に於いて祝砲一発
打揚げたのを合図に、全市の工場の汽笛は唸り、市内各駐在所の警鐘および社寺|備附け....
「春昼」より 著者:泉鏡花
なりました。」 「溺れたんですか、」 「と……まあ見えるでございます、亡骸が岩に
打揚げられてござったので、怪我か、それとも覚悟の上か、そこは先ず、お聞取りの上の....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
昔は玉屋鍵屋が承って五月二十八日より上流下流に大伝馬をもやいて大花火、仕掛花火を
打揚げる。江戸ッ児の魂を有頂天にして、足元の小石にも跪かしむるはこの時で、「玉屋....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
に知れませんかえ」 幸「まだ知れねえが、多分海へ流されて、天罰だから何処かの岸へ
打揚げられ、烏に喙かれるぐらいの事は何うしたってなければならないよ」 と話をし....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
打ち揚げます。山三郎の乗って居るのは小鰺送りと云う小さな船だから耐りません、船は
打揚げ打下されまして、揚る時には二三間|宛も空中へ飛揚るようで、又|下る時には今....
「倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
のネルソン将軍の高い塔にはおびただしい国旗が懸けられている。塔の下の空地で花火が
打揚げられるのであるが、とてもその傍へは寄付けないので、どんな仕掛花火かよくは判....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
ような高波が打寄せて来て、品川や深川の沖にかかっていた大船小舟はことごとく浜辺に
打揚げられた。本所、深川には出水して、押流された家もあった。溺死した者もあった。....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
仄かに見えていた。ボクソウルは一応スミス船長に報告して、直ちに狼煙《ロケット》の
打揚げ方に掛ったのだが、キャリフォルニアンからは何の応答《こたえ》もないが、気の....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
がら、心太や寒天を呼んだのはまだしも、その素裸で、屋根の物干へ立って、遥に公園で
打揚げる昼花火を視ながら、八が心ばかりの七夕の竹に、短冊を結んだのには驚いた。そ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、九月の十九日か二十日に明治座の初日を出した。本郷座も同日であった。 明治座を
打揚げて、この一座は予定のごとく地方巡業に出発した。一々は記憶していないが、京都....
「三国志」より 著者:吉川英治
陣、麹義の備えへどっと当って行った。 鳴りをしずめていた麹義は、合図ののろしを
打揚げて、顔良、文醜の両翼と力をあわせ、たちまち、彼を包囲して大将厳綱を斬って落....
「三国志」より 著者:吉川英治
ようにしんとしていた。 陳登は、見届けると、第二の合図をあげた。それは望楼から
打揚げた狼烟であった。シュルシュルシュルと火鼠のような光が空へ走る。 城外十里....
「銀河まつり」より 著者:吉川英治
が初めて出来た時、将軍家の船遊覧をかねて真田侯が戸狩の煙火師を連れて中洲の三又で
打揚げたことがある。 それを見て、笑った大名がある。三州岡崎城の本多侯で、 「....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
て、喧ましい、と怒鳴った。それで静かになったと思ったら、翌朝白良浜に二人の身体が
打揚げられていたのだ。見なかったが、宿の番頭が知らせてくれた。余り騒がれもしなか....